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Vリーグ2022戦力分析、王権復興を目指すSLNAは今季トップ3に照準

王権復興を目指すサッカー王国ゲアン

新型コロナで打ち切りとなった2021シーズンの第12節時点でまさかの最下位に沈んだ、かつての強豪ソンラム・ゲアン(SLNA)だが、昨年5月に新スポンサーが就任したことで、クラブを取り巻く状況は劇的に変化した。

サッカー王国ゲアン省を本拠地とし、ベトナム代表選手を数多く輩出しながらも、財政難のために毎年複数の主力選手が流出していたSLNAだが、新スポンサーのおかげでクラブ経営が安定。これにより、かつてクラブを去った数人のベトナム代表選手たちが古巣に戻ってきた。

SLNAが掲げた今季目標はトップ3。これには懐疑的な見方もあるが、多くのサポーターは王権復興への期待に胸を高鳴らせてシーズン開幕を待っている。

長年財政難に苦しんでいたSLNAでは、毎年複数の主力が他クラブに強奪されるという状況が続いていたが、下部組織から優秀なタレントが育つため、しぶとく1部に残留してきた。2021シーズンの途中まで最下位に沈んだのは予想外だったが、仮にシーズン終了まで戦ったなら、例年通り残留に成功したと考える人が多い。

しかし、名門SLNAは昨季最下位に位置したことでクラブは変革を迎えるきっかけを掴むことが出来た。長年にわたり会長を務めてきたグエン・ホン・タイン氏が退任し、バクア(北亜)銀行がスポンサーから撤退。新スポンサーに農業・畜産大手タンロン・グループが就任して、首脳陣の顔触れも大幅に入れ替わった。

新スポンサーはすぐさまクラブ改革に着手。まずは「ピッチ状態が悪すぎて選手の怪我を招く」と悪評が高かったビン・スタジアムの芝生を張り替えて、スタジアムの観客席や照明設備なども改修。下部組織の寮も新たに建設した。

トップチームのコーチ陣には、SLNA出身の若手コーチらを登用。この中には現役時代“天才”の名をほしいままにしたファム・バン・クインも含まれる。この他、今季からクラブロゴも一新して新生SLNAのイメージを強く打ち出しており、新ユニフォームの売れ行きも非常に好調だ。

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