ベトナムフットボールダイジェスト+

レ・コン・ビン物語 “ベトナムの英雄”と呼ばれた男 最終回 選手生命を脅かす大怪我からの復活

レ・コン・ビンが自身の半生をつづった自伝『Phut 89(89分)』。ここには“ベトナムの英雄”と呼ばれた男の幼少期から現在までが記されている。国内最貧困地域の一つゲアン省で真っ黒になってボールを追いかけた少年時代、プロサッカー選手となり、人気歌手Thuy Tienと家庭を築くまで。自伝の中では、幼少期のことだけでなく、八百長や暴力などVリーグを取り巻く様々な問題についても赤裸々に語っている。出版社が発売を記念して、一部の項を公開。その内容を連載で紹介していく。

悪夢の靭帯断裂。ポルトガルでの手術を決意

世間からバッシングを受け続けてきた僕らだが、結局のところ、メディアや一般人からの誹謗中傷など、2010年半ばに負った選手生命にかかわる大怪我と比べたら、実に些細なことだ。

靭帯断裂と診断されたとき、世界が終わるような絶望感を味わった。サッカー選手にとって靭帯断裂は、歌手でいえば喉がつぶれる、画家でいえば目が見えなくなるのと同じようなもの。

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