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松沢呉一のビバノン・ライフ

オランダのTVは夜9時以降は性器も挿入シーンも・・・権力批判と依存の関係 -ろくでなし子再逮捕 [10] -(松沢呉一) -3,260文字-

2014年12月29日19時04分 カテゴリ:性癖SM連載ろくでなしこ再逮捕わいせつ表現オランダ刑法175条比較文化宗教キリスト教矯風会


ヨーロッパのコマーシャルはどうしてエロなのか-ろくでなし子再逮捕 [9]」の続きです。

 

 

権力依存が刑法175条を維持してきた

 

vivanon_sentence性表現の規制を求め、性産業の規制を求めてきた人たちこそが、ろくでなし子や北原みのりを逮捕させたことはもうおわかりかと思います。にもかかわらず、それを自覚せずにトンチンカンな権力批判をするおかしさ。

表現規制を求める人々のこのような体質もまた前々回説明した権力依存に基いているのだと思います。この国で刑法175条が維持されているのも、おそらくここに理由があります。

こういう人たちが欧米型のゾーニングを歓迎しないのはわかりやすい。そんな社会はイヤなのです。本当はアメリカやヨーロッパのやり方に少しも賛同していない。性表現なんてものはたただた潰せばよく、憲法なんてものは踏みにじってもいいのだと思っているのです。そうとしか思えない。

もし刑法175条を廃止して、ゾーニングを実施すると、自分で判断をしなければならない。チンコマンコを見たいのか見たくないのかを自分で判断しなければならない。欲望に負けて、チンコマンコを見てしまったら、誰のせいでもなく、自分の責任になる。それがイヤなのです。判断できず、責任をとりたくない自分のために、法が存在して欲しい。すべてはお上が決めて欲しい。自分らはそのお上にいつまでも文句をつけているだけの存在でいたい。

そういう人たちがのさばってきたのがこの国の現実です。

言い過ぎだと思うでしょ? しかし、現実にどういう論理でヨーロッパで深夜チンコマンコが放送されているのかを知れば納得すると思います。そして、これは表現規制を求める人たちだけの問題ではないことにも気づけます。国家や法に依存しない国民だから、ポルノは解禁され、ゾーニングが可能になったのであり、国家や法に依存する国民だから、日本はこうなのです。これは国家や法だけでなく、我々自身の問題です。

 

 

夜の9時から性器や挿入シーンがテレビで流せる国の意識

 

vivanon_sentence「ユーモアが『差別』になってしまったサッカー選手」に簡単に書いた話を改めて詳しく書いておきます。この話は他でも書いたことがありますが、ヨーロッパとこの日本がどれだけ違う考え方をしているのかよくわかるので、ここでも繰り返しておきます。

IMG_1165何年か前にオランダのテレビ番組が日本に取材に来ていた時のこと。世界の性風俗を取り上げる番組の取材です。当時、日本に来ていたオランダ人研究者の知人がいて、 彼に頼まれて私がコーディネイトをしました。

池袋にあったSMパブに彼らを連れていったところ、オランダから来ていた女性レポーター2名がすっかりその気にになり、ムチで男を叩き、店のM女が吊られているところも撮影してました(その時も写真を撮っているのですが、古いハードディスクがいかれてしまったので、ここに出したのはイメージ写真)。

「こんなの、テレビで流せるの?」

「全然問題ない」

私はてっきりCATVか衛星の番組だろうと思ったのですが、地上波だと言います。

日本の事情をよく知っているその研究者はこう説明してくれました。

「日本で言えばTBSみたいな局」

 

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