松沢呉一のビバノン・ライフ

独立映画鍋からの回答について-厄介な「レイシストカウンター」批判 19(松沢呉一) -[無料記事] -2,497文字-

 

お詫び

 

vivanon_sentence独立映画鍋からの回答についてです。全文は「独立映画鍋からの回答」をご覧ください。「責任をとるべき人たち」と入れ違いになった点については改めてお詫びいたします。

その内容については昨日Facebookで軽く触れておりますが、ここではさらに詳しく見ていきたいと思います。以下、機種依存文字は直しています。

順番が前後しますが、まずこちらが誤解をしていた部分です。「前提」部分の4です。

 

4)独立映画鍋は、会員がプロジェクトによって調達した資金から手数料等の収益は一切得ていません。
※下記ページの「事業報告」をご参照下さい。
http://eiganabe.net/about

 

これについて独立映画鍋が収益を得ているとしていた過去の記述については打ち消し線を入れるとともにお詫びをいたします。

 

 

 

 

motion galleryと利用者の関係

 

vivanon_sentence

続いて「前提」の1から3。

 

1)クラウドファンディングとは当該プロジェクトの完成や品質を無条件に保証するものではなく、そのリスクや発生した紛争の解決は当事者同士で行なうことを前提として支援する仕組みである、と独立映画鍋としては認識しています。

2)独立映画鍋は、クラウドファンディングのプラットフォーム「motion gallery」のコンテンツパートナーとしてキュレーターページを共同で運営しています。
※上記文言は、独立映画鍋の公式サイトに掲載されています。
http://eiganabe.net/
※独立映画鍋のキュレーターページは、下記です。
https://motion-gallery.net/curators/eiganabe

3)上記キュレーターページに掲載されている独立映画鍋会員のクラウドファンディング・プロジェクトは、motion galleryの利用規約に則って実施されています。
※motion galleryの規約は下記に掲載されています。
https://motion-gallery.net/term

 

ここはさらに説明が必要かと思います。

リンクされている利用規約はMotion Galleryと利用者の間に適用されるものです。

その第4条の6の7。

 

当社はプレゼンターが提示・推進する各プロジェクトに対してなんら責任を負いません。各プロジェクトに関するトラブル、返金要求、リターン返品要求、その他紛争については、プロジェクトプレゼンターに対して申し立てるものとし、当社は一切関与しないものとします。

 

「当社」はMotion Galleryのことです。「プロジェクトプレゼンター」は直接にはわたなべりんたろうですから、トラブルはわたなべりんたろうと出資者との間で解決をせよということになります。

「前提」1もこの範囲でのクラウドファンディングの理解かと思います。

こういう規約になっていたところで、Motion Galleryとしては、少なくともトラブルを起こしたプレゼンターの会員登録を抹消するなどの責任はあるでしょうが、現にそういう規約になっています。

 

 

独立映画鍋と利用者との関係

 

vivanon_sentenceしかし、わたなべりんたろうは独立映画鍋のメンバーであり、独立映画鍋はそのクラウドファンディングをバックアップしているのですから、「Motion Galleryと出資者」の関係ではなく、「独立映画鍋と出資者」の関係を別途論ずる必要があろうかと思います。

システムの提供をするだけのMotion Galleryとその会員の関係と、年会費を徴収し、クラウドファンディングだけを目的とするわけではない独立映画鍋とそのメンバーとでは質が違っていて、責任の度合いも必然的に違ってきましょう。

これについては「前提」の5。

 

5)独立映画鍋は、基本的に会員個々の創作について管理や関与は行っていませんが、クラウドファンディングや著作権の問題だけでなく様々なテーマで「鍋講座」と呼ばれる勉強会を開催し、その内容を会員間で共有することで問題解決やトラブルの未然防止に努めています。
※詳細は、下記ページをご参照下さい。
http://eiganabe.net/event/event-nabe
http://eiganabe.net/event/event-report
http://eiganabe.net/useful

 

著作権に関する講座もやっていて、問題解決やトラブルの未然防止に努めている団体のメンバーが、著作権侵害があり、本人もそれをある程度はわかっていたはずの映画で上映等の資金を集めたのが今回のトラブルです。

 

 

今回のケースに適用されるルールの有無は不明

 

vivanon_sentence以上を踏まえた上で、4点目。

 

4.このようなトラブルがあった場合、どう対応するのかの規約、内規等は存在するのでしょうか?
▲【前提】に記載した通り、motion galleryの利用規約に準拠しています。
※第四条をご参照下さい。

 

すでに述べたように、これはMotion Galleryのルールですから、独立映画鍋内ルールの有無についてはなお不明です。

しかし、そのルールが存在しようとしまいと、団体としての責任が果たされば問題がないわけです。

独立映画鍋に責任はあると私は思っているのですが、返金までの責任を負うのか否かについては、判断がつかなくなりました。利益を得ていたら、それを返金に充てればいいと思っていたのですが、そうじゃなかったわけで。

 

 

今後の対応

 

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独立映画鍋としても、「知りません。本人に言ってください」ということではなく、 対応をするということです。

 

3.把握していなかったのであれば、これから対応をする予定はありますか?
▲現時点で当事者からの報告や抗議はありませんが、会議で検討した結果、わたなべりんたろう氏に聞き取り調査を行なうことに決まりました。
その結果に応じて、独立映画鍋としての対応を検討致します。

 

現段階では出資者の会、あるいは別の出資者が返金を要求していない以上、独立映画鍋としても、そこまで論ずる必要はないでしょうし、出資者の会は始まったばかりで、まだ具体的には動けないでしょうから、いずれにせよ、もうしばらく待ちます。

続きます。

 

 

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