松沢呉一のビバノン・ライフ

乳首と桜井信栄さんのこと-ソウル・クィア・パレード 9(最終回)-(松沢呉一) -2,496文字-

エイズを利用するサイテーの人々-ソウル・クィア・パレード 8」の続きです。

 

 

乳首の意味

 

vivanon_sentenceこちらをご覧ください。話題沸騰の乳首ドラァグクィーンです。

 

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この時は乳首が出てないのですが、存在自体に冠された形容なので、乳首が出ていなくても乳首ドラァグクィーン。

念のために言っておきますが、あの乳首は狙ったものではなく、ずり下がりやすい衣装のため、気づくと乳首が出てしまうのです。

パレードの途中で私も乳首に気づき、急いでフロートに駆け寄り、「乳首、乳首」と大声で注意してしまいました。

その直後に不思議に思ったんですけど、なんで私はああも慌てて注意しないではいられなかったのでありましょう。男の乳首は出ていてもいいじゃないですか。実際、出していた人もいたんだし。ヘイト・プロテスタントに知られたら大変なことになると考えていたわけでもなく。

しかし、ドラァグクィーンは女の設定ですから、乳首が出ていると、出してはいけないものが出ているように思ってしまいます。ジェンダー設定は乳首の意味も規定します。

今後はFEMEN派のドラァッグクィーンという設定にするといいかもしれない。

以下の乳首と同じ位置づけ。

 

 

闘う乳首。

 

 

大活躍のフライヤー

 

vivanon_sentence乳首は前振りでありまして、本題は手にしているフライヤーです。ここまで出した写真にもこのフライヤーが見えてます。

片面には‘EQUALITY’、片面には‘ LOVE CONQUERS HATE’の文字。文字はそれだけで、どこが作ったものかもわからない。

このフライヤーは、パレード参加者が歩道に向けて掲げていましたし、妨害者たちにも向けていて、大変使い手がありました。

 

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メディアも写真を撮りやすかったと思います。

私が妨害者たちにこれを突き出していると、一緒にフライヤーを出してくれる人たちもいました。

韓国という国総体が問題なのではない。腐れプロテスタントが問題。米国でも同じ。ロシアのロシア正教やイスラム国家におけるイスラム教の場合は国家と直結することがあるとして、ここでは、韓国のパレード参加者、それ意外の国の参加者がフライヤーによってつながることができました。

韓国でパレードを続けてきた人たちがいて、日本でパレードを続けてきた人たちがいて、日本でレイシストと闘ってきた在日がいて、日本でレイシストと闘ってきた日本人がいて、韓国でそれをサポートしてきた日本人や韓国人がいて、日本に留学して東京レインボープライドの実行員になった人がいて、日本に留学してレイシストと闘った人がいて。

その中には米兵の女性がいたかも。韓国における米軍の存在も微妙だし、米軍の中のLGBTもなお微妙なので、なんでわかったのかは秘密にしておきますが、ここでは仲間。

 

桜井信栄氏の存在意義

 

vivanon_sentenceDSCN0949このフライヤーは桜井信栄さんが自費で制作したものです。4千枚刷っているのですが、重いので5百枚しか会場に持ってこなかったそうです。

「どこで手に入るのか」と聞いてきた人もいて、TOKYO NO HATEのブースであっという間にはけてしまいました。倍あってもよかったのにな。

自分の存在、団体の存在をアピールするためのフライヤーではないのが桜井さんらしく、代わりに私が桜井さんの貢献を強調しておきます。右はホテルで改めて撮ったものです。

以下は桜井信栄さんの存在を知っている人だけお読みいただければよいかと思います。

 

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