谷岡ヤスジの衝撃-バター犬と性差別 3-(松沢呉一) -2,514文字-
「誰が誤解を拡大したのか-バター犬と性差別 2」の続きです。
昨日の出来事
昨日、私は国会前を散歩してまして、8時前には国会前を離れ、日比谷公園で休憩し、「ひと仕事終えたので、風呂でも入るか」と祖師谷にある天然温泉の銭湯に行きました。湯に浸かりながらテレビが観られるのですが、ニュース番組で流れた、光が煌めく空撮映像は大変美しゅうございました。
右の写真は車道が開放される前のもので、手前は歩道を渡る人たちです。警察はステージのある北側(写真の右側)に人が溜まるのを嫌って、この歩道を渡る人を制限していたため、いつも以上に南側に人が溜まってました。
警察車両があったため、北側からは見えなかったでしょうが、7時を回った頃、南側から次々と車道に人が溢れ出しました。これが今回の決壊の始まりです。これにちょっと遅れて北側が決壊。
あれだけの人がいればそうならざるを得ない。私は永田町側から国会前の交差点に出ようとしたのですが、国会図書館の交差点にも人が溜まっていて、国会前は6時半になる前に通路が塞がってました。
最初から車道を使うことを前提にして、歩道を通路として確保しないと動けなくなるので危険です。決壊したことが警察のミスなのでなく、人数を勘案して車道を使うことを予め組み込んだ警備計画を立てていないことがミスです。あれでは機動隊員も罵倒されまくってかわいそうですよ。警備課はしっかりするように。
黒湯に浸かりながら観たテレビでは「主催者発表で45000人」とのことでしたが、警察発表によると1万7千人だったとのこと。すでに見たように、警察発表の数字は「特定のエリアの一時点における人数」と警察庁は言ってますけど、実のところ、警察は全体の数字も正確に把握できていないのではないか。
昨日は、日比谷公園やその周辺を使っていなかったので、8月30日より全体の参加人数はずっと少ないにしても、国会周辺についてはあの日とさして変わっていないか、むしろ多いくらいだったのではないかと思えます。
それでもバター犬新聞たる産經新聞やバター犬学者たる社会学者は警察発表を支持するのかな。
バター犬をめぐる世代差
前回、前々回書いてきたように、今回の騒動は、誤読に基づいた性差別批判であったと結論づけていいかと思います。他者の表現を「差別だ」と決めつけるにはそれ相応の慎重さが必要であり、慎重さのない決めつけをする人たちこそが、法によってヘイトスピーチの基準を作ることさえ困難にしていることを改めて自覚して欲しいと思います。「私は不快だ」では話にならない。その不快さが何に起因するのかくらい考えましょう。
では、上野千鶴子と無関係に、古市憲寿を「バター犬」という言葉で揶揄することに問題はあったのか、なかったのか。その問題を論じていきます。
先に確認をしておきますが、バター犬はこちらになっております。
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