台北は寒い。そこで温泉-台北報告 雑談編 2(松沢呉一) -2,141文字-
「台湾の提灯-台北報告 雑談編1」の続きです。
台湾は沖縄より寒い
意外なことに台湾は寒かったです。私が意外だっただけで、知っている人は当然知っているんでしょうけど、緯度からすると沖縄より暖かいはずなのに、違うんですね。
沖縄は黒潮のために緯度のわりに暖かく、対して台湾には大陸からの冷気が吹き込むため、沖縄よりずっと寒いってことらしい。知らんかった。今まで生きてきて、誰もそんなことは教えてくれんかった。
私は長袖シャツにパーカーを羽織っただけだったんですけど、あっちの人たちゃ、ダウンコート着て、毛糸の帽子かぶって、マフラーして。間違って仙台行きの飛行機に乗ったかと思いました。
この写真ではあんまりよくわからんでしょうけど、夜市も寒そうでしょう。実際寒いのです。
とくに着いた日はこの冬一番の寒さだったそうです。そのもっとも寒い日に対応していないので、ホテルがまた寒いんだ。暖房が効かない。冬用の毛布や布団もない。
それでも私は寒さに強いので、パンツ一枚で寝てましたが、SWASHの要友紀子は冬用のパジャマを買い、その上、布団まで買おうとしてました。気持ちはわかるけどさ。
でも、大丈夫、温泉があります。
台北の銭湯
私は提灯ライターであるとともに銭湯ライターでもあるので、当然、台湾でも行こうとしたのですが、台湾の人たちに聞いても「台北にはない」と言います。「温泉に行くしかない」と。
もともと台湾では、温泉に浸かる習慣があまりなく、共同浴場は、日本統治下の時代に作られたものの、その後、着々と数を減らしていきます。古いアパートでもだいたい風呂はついてますので。
結局、台北で銭湯と言えるようなものが残っているのは温泉地くらい。台北市にある北投が温泉地です。
ここに温泉が出ることを発見したのはドイツ人です。それまでは湯が湧いているのを知っていても、入ろうとは思わなかったのでしょう。これを温泉地として開発したのは日本統治下時代です。温泉があったら日本人は喜び勇んで行きますわね。
そのせいもあってか、日本の温泉地に来た気分。ホテルや土産物屋が並び、川沿いの道を歩いていると硫黄のニオイがしてきます。日本人の客もいっぱい。台湾くんだりまで来て日本と同じような温泉に入らんでいいだろ。ワシもか。
ここには露天風呂「千禧湯」があるのですが、水着着用です。体を洗うのではなく、浸かるだけ。よって男女混浴。
雰囲気は抜群にいいのですが、温水プールみたいなもんです。風呂はチンコ出してナンボですから、ここは入らず、外から写真を撮るに留めました。
入ったのはこのすぐ裏手にある「瀧乃湯」です。100元でした。日本の銭湯よりちょっと安い。「千禧湯」はたしか60元だったはず。
「瀧乃湯」も日本統治下からあって、建物も一部補修をしていながら、当時のまま。
台湾からの挑戦状を受けて立つ
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