吸い殻と野良犬-台北報告 雑談編 5(松沢呉一) -2,324文字-
「下痢注意-台北報告 雑談編4」の続きです。
釈迦頭が食い放題
食べ物の話となると、果物にも触れないわけにはいかない。ドラゴンフルーツ、ライチ、ドリアン、マンゴスチンあたりは東京でも普通に売られるようになってきていますが、そう簡単には食えない南方の果物はまだまだあります。
たとえば釈迦頭(バンレイシ)。これとチェリモヤを掛け合わせたアテモヤは沖縄でも栽培されていて、沖縄に行けば食いますけど、このタイプの果物は潰れやすい上に、熟すとドロドロに溶け出すため、長距離を輸送して販売するのは難しいでしょう。食べるのに適しているのは2日か3日くらいの間なので、小売店も扱いにくい。
栽培地でしか食えないと思ったら、ありがたくてありがたくて、連日台北では釈迦頭を食ってました。
たいていどこもひとつ100元だったので、日本円だと300円台。台湾の果物としては高めではありますが、食いでがあります。私の下痢はノロウィルスではなく、ただの釈迦頭の食い過ぎかも。
冬でも果物が豊富なのは嬉しい。別シーズンにも台湾に行きたい。
ここで一点注意。夜市でよくカットフルーツを売っているのですが、あれは量り売りです。小さくカットしたものを売っているんだったらいいのですが、たいてい丸ごとじゃないと買えません。丸ごとひとつを買ってカットしてもらう方式。
100グラム単位で見ると安いのですが、果物は重量があるので、たとえば釈迦頭だと、市場やスーパーで買うより5倍くらい高くつきます。ありゃ、観光客用のボッタクリみたいなもんなので、果物は果物屋で買った方がよろしいかと思います。
温泉でタバコ
話は変わって、下の写真は、瀧乃湯の浴槽脇の壁に書かれていた注意書きです。
「湯の中にタオルを入れるな」「浴槽内で体を洗うな」といった日本でもよくある内容ですが、「禁煙」も書かれています。
「浴室でタバコを吸うヤツはおらんだろ」と横にいた宗田君に言ったら、数年前まではこの中で吸ってもよく、実際、皆さん、吸っていたんだそうです。
ここは脱衣場がないし、一度入ると外に出られないので、中で休憩するしかなく、服を脱ぐ板の間に腰掛けて吸っていたらしい。テレビもないし、電気風呂もサウナもないので、退屈っちゃ退屈ですから、タバコくらい吸いたくなりますわね。
しかし、室内の公共スペースでは禁煙の法律ができてしまったため、ここも禁煙とあいなった次第。でも、大丈夫。台湾は喫煙者に優しい。
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