台北に住みたい-台北報告 雑談編 11-(松沢呉一) -2,680文字-
「国を超えてつながる-台北報告 雑談編 10」の続きです。
「もっと知りたい欲」を刺激する台湾
もっともっと台湾のこと、台北のこと、とくに萬華のことを知りたい。この国の売春事情を調べたい。街娼のおねえさん方の話を聞きたい。かわいい男の子と知り合いたい。
そのためには5泊程度では無理です。少なくとも1ヶ月くらい住みたい。どこに行っても「ここに住みたい」と思ったりするものですが、台北はとくにそう思わせるものがあります。
半分本気でありまして、念のため、家賃も聞いてきました。ホテルだと日本の8掛けくらいの感覚で、ボロいビジネスホテルでも、日本円で一泊五千円くらいします。もっと安いゲストハウスもあるのでしょうが、歳をとるとドミトリーは辛く、ホテルだとどうしても月に十万円以上かかります。
しかし、古いアパートであれぱ、日本円で月に四万円程度でも、そこそこ便利なところに住めます。右の写真みたいなところ。風呂つきの2Kや2DKです。そんなに広くなくてもいいんだけど、そういうものみたい。
夜市をやっているところは深夜までうるさいために家賃が安く、私にはむしろ好都合。もし『闇の女たち』が売れたら、しばらく住むかな。毎日夜市、毎日天国。
台湾の人たちは親切すぎる
気に入ったとか、もっと知りたいということもあるのですけど、台湾では日本との差をあまり感じないのが「住みたい欲望」をリアルにします。大陸とは全然違う感じ。明日からいきなり住んでも支障がないように思います。
工業製品の値段は日本とそう大きくは変わらない印象ですが、その辺で食う物はだいたいうまくて安い。香辛料は当然使っているにしても、八角がプンプン臭うってこともなくて、大陸の中華料理よりずっと馴染んでいる味です。おにぎりもコンビニにあります。温泉だって入れます。
親切な人が多いのも安心感を高めます。いざ住むと、その親切さがうざくなることもあるそうですが、1ヶ月だったら耐えられましょう。
要するに世話焼きでおせっかいってことでありまして、その兆しはありました。Facebookの更新を一日一回くらいはしようと思ったのですが、ホテルのWi-Fiが不調で、部屋ではなかなかつながらない。一階まで降りるとスムーズにつながります。
一階の食堂が使われていないため、そこで作業をしてもいいと言うのですが、だったら路上でタバコを吸いながらやった方がいいやと思い、ホテルの前の地べたに腰を下ろしてやっていのですが、何度も「中でやっていいですよ」と言いに来ます。「いやいや、タバコが吸いたい」とポーズ混じりで説明。そしたら、今度は椅子を持ってきてくれまして、申し訳なくて作業をやめることができなくなり、用もないのにそのあとしばらくネットを見てました。親切すぎです。
海外にいる緊張感もまったくなくて、私は部屋のドアに鍵をつけっぱなしで寝てしまったり、外出してしまったりしてました。緊張感ななさすぎですが、とくに問題なし。
ふだんうちの鍵もかけないで外出することが多いので、どうも鍵は苦手です。海外生活するにはまずはそこから克服せねば。
この距離感、この安心感のためでしょうが、やたらと好奇心が刺激されて、その好奇心が満たされないまま帰国してしまったため、やり残した感が強いのです。
台湾女子とは気が合う
男でも女でも親切ですけど、私は台湾女子が好きです。性的な対象ということではなくて、男の子以外には全然キュンとはしませんでしたが、つきあいやすいのです。日本に来ている台湾女子もその傾向があると思います。さばさばしていてはっきりしている。ウジウジしていない。
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