松沢呉一のビバノン・ライフ

改めて刊行イベント「闇からのメッセージ」のお知らせ-「闇の女たち」解説編 6(松沢呉一)-[無料記事] -2,062文字-

『闇の女たち』の表紙が完成

 

vivanon_sentenceここまでの話をちょっと中断してお知らせです。

闇の女たち』の表紙ができました。これをあちこちにベタベタ貼り付けていただきたい。SNSに、ブログに、メールに、家の入口に。

 

 

表紙写真はラクチョウのガード下に立つパンパンを撮った当時の写真です。新聞社のフォトライブラリーから借りたものです。拡大すると柱に貼られたポスターの文字も見えて面白いっすよ。

 

 

抜き刷りの意外な効果

 

vivanon_sentence新潮社は『闇の女たち』から地域別のインタビューを抜粋した抜き刷りを作って書店に配布しています。新潮社で文庫を出すのはこれが初めてではないですが、新潮社に限らず、こんなことをしてもらったことがないので、これ自体にまず驚きました。「新潮社は暇か」と。

100%の女の子 / パン屋襲撃 [DVD]抜き刷りを配布するのは、「当社はこれに力を入れています」というアピールであって、そのことさえ伝わればよく、「忙しい中、そんなもんを読む書店員なんていないべ」とばかり思っていたのですが、「全文を読みたい」とリクエストしてきた書店が多数ありました。これも意外でした。「書店は暇か」と。それとも、村上春樹の新刊と間違っているのか。

新潮社はそれらの書店にゲラを送っています。「ページ数が多い本なので、コピー代がかかって潰れないか」と貧乏性の私は心配になります。

どこの書店さんかまでは聞いてないですが、ゲラを読んで、店頭でプッシュすることをすでに決定した書店まであるらしい。宮部みゆきの新刊と間違っているんだと思います。

※いきなり、「パン屋襲撃」のDVDを出してみたのは理由がありまして、学生時代に、この映画の制作に私もなんか関わっているんですよ。何をしたのかは全然覚えてない。

 

 

刊行記念イベント挙行

 

vivanon_sentence本という商品を作って売るのが出版社の仕事ですから、宣伝も出版社の仕事です。著者は本の中身の担当。契約でもそうなっています。

でも、本が売れない時代、そうも言っておれず、著者もなんかしらしないわけにはいかない。とくに今回はホントに売れて欲しいのです。

「ビバノンライフ」でも、4月25日(月)に、高円寺パンディットで予定しているトークイベントの告知をしましたが、プレゼントの申込みがあっという間に終わったため、そちらは引っ込めまして、ここで改めてやっておきます。

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『闇の女たち』刊行記念

闇からのメッセージ


開場:19:00 開演:19:30

料金:1200円+1ドリンク


第一部 『闇の女たち』ができるまで

出演:松沢呉一 聞き役:奥野徹男(パンディット店長)

第二部 『闇の女たち』とセックスワーク

出演:要友紀子(SWASH)、赤谷まりえ(雑誌編集者)、松沢呉一

 

『闇の女たち』——

4月28日に松沢呉一著『闇の女たち』(新潮文庫)が全国の主要書店に並びます。第一部と第二部を合わせて600ページ近くある大部の文庫です。予価810円。

本書の第一部は、おもに1990年代から2000年代に著者が全国を回って現役の街娼や客引きたちにインタビューをしたもの。人を殺したばかりの客と旅行に行った街娼、逮捕されて最高裁まで闘った街娼、進駐軍の基地内で初めて男を知った男娼、レズビアンの妻とその愛人の女と暮らす男娼など、驚きの話、抱腹絶倒の話、涙がこぼれる話が満載されています。また、地域によって違う街娼のしきたり、警察の取締、料金などが詳細に語られている点でも貴重。

本書の第二部は「日本街娼史」。遊廓、赤線などの「集娼」が主流のこの国で、「散娼」の街娼はどういう存在であったのか。なぜ敗戦後はああも多くのパンパンたちが街に立ったのかを膨大な資料から明らかにする画期的街娼論です。とりわけパンパンについては「やむにやまれず街に立った哀しい女たち」という間違ったイメージを完全に覆し、その実相を明らかにします。それによって売防法の意味をとらえなおし、現在も続くセックスワークに対する誤解、偏見、歪曲の類をあぶり出す内容となっております。

※Ust等の中継はありません。

 

 

着々進化しているパンディット

 

vivanon_sentence告知スタートから数日で予約40人を超える勢いなので、私のからむイベントとしては異例の人気でありまして、たぶんG-DRAGONが出るのだと勘違いしているんだと思います。もしそうだったら、1分で予約終了ですけど。

先日、高円寺に行ったついでにパンディットに立ち寄ったら、スクリーンがありました。

今までは壁に直接映写していたため、壁の凹凸が気になりました。気にならないという人も多いのですが、YouTubeの映像を参考にちょっと観るだけならいいとして、映画をちゃんと観る環境ではない。

奥野君にずっと「早く儲けてスクリーンを買え」とせっついていたのですが、買ってくれた人がいたそうです。見るに見かねたのではなかろうか。皆の力で支えられているパンディットです。

とくに何かを上映する予定はないですが、4月25日はパンディットのスクリーンを見に来るといいんじゃないか。BIGBANGの映像を流さないでもない。

このシリーズはまだまだ続きます

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