「闇からのメッセージ」の予習-「闇の女たち」解説編 22(松沢呉一)-2,532文字-
「またも消えた老街娼-「闇の女たち」解説編 21」の続きです。
「闇からのメッセージ」の前に
明日4月25日はいよいよ高円寺パンディットで「闇からのメッセージ」です。「いよいよ」というほど、大げさなイベントではないですが、第三部を追加したため、受付を〆切って以降も「なんとかならないか」との問い合わせがパンディットにいっぱい来ているそうです。
「立ち見は辛いので、当日はなしでいいんでねえの」と言っていたのですが、そうもいかなくなって、当日入場を受け付けることになりました。
予約をしながら来ない人の分を当日分に回しますので、予約をしていない方は当日18時半から18時50分までに会場に来てください。整理券を発行しますが、入れるかどうかは運任せ。入れたとしても立ち見になる可能性が大です。ご了承ください。
軽く予習を
おそらく来場する方の半数くらいは「ビバノンライフ」「マッツ・ザ・ワールド」の購読者ですから、ある程度理解ができてましょうが、それ以外の人たちは、よりスムーズに理解していただくために、事前にちょっとだけ予習をしておいた方がいいかもしれないっすよ。一日しかないけれど。
街娼については今から読めるものはほとんどないでしょうし、第一部はサラリと済ませる予定で、あとは『闇の女たち』を読んでいただければいいとして、第二部以降はそれなりには面倒な話がいろいろ出てきそうです。
第三部の必読は「ポルノ・アダルト産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」です。タイトルからして、偏見に満ち満ち、誤読を誘う意図が見え見えです。
毎月名前が公開されているように、また、時に報道もされるように、弁護士でも倫理違反や法律違反で処分されているわけですが、これは「法曹界が生み出している」とすべきですかね。金を詐取するような弁護士まで法曹界全体が責任を負うのか? おかしな個人がいるだけなのでは?
私はそんなにはAV業界に詳しくないので、これについては第三部で川奈まり子さんと、森林原人さんに論じてもらおうと思います。
時間が足りないと思うので、この内容については、別の日に改めてじっくりやっていただこうということにもなってきています。今回、来場できなかった方はそちらにどうぞ。こちらも早めに予約した方があとで慌てなくて済むと思います。
「セックスワークの非犯罪化」の潮流
第二部では、性風俗産業内セックスワーク、あるいは個人のセックスワークについての話が中心になりつつ、セックスワーク全般の話です。
とくにアムネスティが「セックスワークの非犯罪化」決議を打ち出して以降、このフレーズがよく話題にされるようになってきていて、これがテーマのひとつになります。
以下、この決議についてアムネスティからのステートメント。
犯罪化されている状態では、警察に逃げ込むこともできない。自分が捕まってしまいかねないですから。
労働団体の支援も受けられない。現実に日本でも、こういう事例があります。
行政が性感染症について指導することもできない。コンドームを置いていると、売春行為が行われていることの証拠とされるため、店や個人としても感染症対策がとりにくい。
ただでさえ蔑視されやすい中、犯罪者としての蔑視も加わります。人権擁護のふりをしながら、セックスワーカーから職を奪い、犯罪者として告発するような偽善者たちの餌食にもなってしまいます。
スウェーデン方式の失敗
しかし、現状、日本ではどういう法律によってセックスワークが犯罪化されているのかを知らないと、賛成も反対もできないはずです。ある法律をなくした時に何が起きるのかをシミュレーションして、それが実現可能かどうかを検討する必要がありますから。
その検討をしていない「非犯罪化」議論はただの空論。
先ごろ、フランスでスウェーデン方式が採用されましたが、これも揉めに揉めて、強い反対論を押し切ってのこと。
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