松沢呉一のビバノン・ライフ

毛の同調圧力-毛から世界を見る 1 (松沢呉一) -2,831文字-

 

お嬢様には毛がおあり

 

vivanon_sentence以下のニュースに対して、Facebookでコメントしたら、いっぱい反響がありましたので、ここでより正確におさらいをしたいと思います。

 

「そらない」のも女性の自由 仏で体毛未処理の写真投稿相次ぐ

2016年07月13日 13:40 発信地:パリ/フランス

【7月13日 AFP】女性の体毛はそらなくてもいい──。フランスで女性たちが脇や脚の毛をそっていない写真をツイッター(Twitter)に次々と投稿し、話題を呼んでいる。女性の体毛の処理について賛否が分かれる中、体毛を残すことに根強く残るマイナスのイメージに戦いを挑む試みだ。

ハッシュタグ「#LesPrincessesOntDesPoils「お嬢様には毛がおあり」には2万5000件を超えるメンションがあり、フランスのトレンドランキングで1位に立った。

このハッシュタグを作成したアデル・ラボさん(16)はAFPの取材に、体毛をそるのを拒んだところ、学校で嘲笑されたり、いじめを受けたりしたと明かした。「社会が女性に負い目を感じさせていると思う。体毛に関してはとても大きな社会的な圧力があるの」

(略)

AFPBBニュース」より

 

そっか、「」は常用漢字ではないのですね。しかし、「そる」だと、猫背の人が「反らないのも自由」と主張しているみたいでピンと来ないため、ここでは「剃」を使用していきます。

 

 

脇毛天国到来

 

vivanon_sentenceTwitterで、 #LesPrincessesOntDesPoilsをクリックすると、この記事を紹介するだけの日本人のツイートばかりが並び、自分の写真を出している人のところまで行き着けません。

そこで画像検索をしてみたら、脇毛写真が多い。アデル・ラボさんはとくに部位を指定していないようですが、残していい体毛として脇毛が筆頭に出てくるわけです。わかりやすいということもあるのですけど、以降、書いていくように、これには意味があるのだと思います。

他も、すね毛、腕の毛など、あくまで見えるところの毛です。

陰毛は出しにくく、出したら消されそうですけど、フランスに限らず、ヨーロッパでは陰毛までをすべて剃る、あるいは脱毛するのがデフォルトになっていて、このハッシュタグがそうも支持されたのは、行き過ぎた陰毛駆逐への反発もありそう。

男の陰毛もまた同様であり、男同士で「なんで伸ばしているんだよ」と言われたり、セックスをする相手に「汚いので剃って」と言われるという話もあって、ヨーロッパにおいては男の陰毛も駆逐されつつあります。

※上の図版は、最初にアデル・ラボさんが投稿したものと思われる文字

 

 

パイパンを気に病んで自殺した人もいる

 

vivanon_sentenceここで注意しなければならないのは、毛の同調圧力は部位によって違うし、文化圏によって違うってことです。日本では、陰毛はなお剃ることに勇気がいる。そのことを踏まえると、アデル・ラボさんに同意したつもりで、同調圧力をかける側に立ちかねないってことを認識した方がいい。

 

 

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