鳥越俊太郎と山本圭壱-山本圭壱復活を擁護する 1- (松沢呉一) -2,798文字-
下半身スキャンダルの効果を高めた宇都宮けんじの愚
宇都宮けんじ陣営と鳥越俊太郎陣営とのバトルについては触れないとして、宇都宮けんじが、週刊誌記事に飛びついて、私怨を晴らす様にはホントに呆れました。宇都宮けんじは、今後選挙のたびに、下半身ネタを週刊誌が報じることを推進したわけですよ。
宇都宮けんじは「お調子のいいことを言う、大風呂敷な左翼」という評価をした上で、今まで投票してきた知人が、「左翼」の部分でダメだと今回判断した旨をFacebookでコメントしてくれました。おそらく彼は「左翼は性的に潔癖」という印象を抱いていて、そのことが週刊誌報道に踊らされる原因になったと見ているのでしょう。
たしかに左翼にそういう人たちが多いのは事実かと思います。ふだんは「人権」を掲げながらも、セックスワーカーの人権になるととたんに道徳を優先する左翼「人権派」がいかに多いか。あるいは、性に関わると、書かれていないことまで想像を広げて叩く人たちがいかに多いか。
昨年のことです。極楽とんぼの山本圭壱が宮崎のラジオに復帰することになった際に、Facebookで批判している知人がいました。その書き込みに対して、私は「示談が成立して不起訴になった9年前のことでまだ言われなければならないのか」と怒りました。
それに対して、彼は「不起訴になっても何があったのかわからない」と反論してましたが、何があったのかわからないことに対して、長期にわたる社会的制裁をよく求められるものです。
刑事的に裁かれた事件ではない。つまり、犯罪として確定していない。犯罪とされるようなことがあったのだろうと推測できるだけで、そこで何があったのかは当事者しかわからない。今現在、相手側が何も言っていない以上、示談で解決していて、その事件内容を「17歳の女だから」と過剰に想像したり、その内面を勝手に想像して代弁をして、リンチをすべきではない。
それでも長期で行動を制限することを求めるのですから、まして刑が確定している人たちは一生行動を制限されてもいいってことでしょう。前科者を社会から抹殺することを目指しているわけです。「前科者に人権なし」ってか。
山本圭壱の復帰に問題なし
そして、今回、山本圭壱は「めちゃイケ」に10年ぶりに復活。まだとやかく言っている人たちがいて、昨日の夜も、私は飲み屋で説教してました。さんざん説教して、彼は納得していましたが、ふだんは冷静に判断できる彼が、なんでそうも軽率な判断をしてしまったのか。
この彼は鳥越俊太郎の下半身をとやかく言うことに対しては批判的、そのくせ山本圭壱が復帰することにはとやかく言ってました。自分の都合で、基準をフラフラ変える。
逆ならまだわかります。鳥越俊太郎の件は決着がついていない。だからなお相手側は納得していないのでしょう。
対して山本圭壱は決着がついています。
にもかかわらず犯罪者扱いをするのは、逮捕された瞬間から犯罪者扱いされ、裁判で無罪になったところで社会的生命が失われているこの国のありようをそのままなぞることです。
山本圭壱は弁明の機会がなく、なおかつ示談の際に「内容には触れない」という条件を飲んでいる可能性もあり、吉本も内容には踏まない旨をコメントをしていて、誰も正確なことを知らない。報道さえも、容疑が「淫行」「未成年に酒を飲ませた」となっているものがあって、そこからしてアバウトです。こんなことを言っている段階で「出直せ」って話です。
内容の検証をしようとすると、「セカンドレイプだ」と騒ぐ人たちがいるため、やりにくいとの事情もあるわけですけど、身元が特定できない範囲で検証はなされていいでしょうし、なされるべきだと思います。
17歳であることを認識できていなかった
この件でまず確認しなれけばならないのは、不起訴処分になっていることから、淫行条例違反ではないってことです。
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