松沢呉一のビバノン・ライフ

セックスをするためのアプリ登場-yes means yesの意義と実現性 10- (松沢呉一) -1,969文字-

いいセックス・悪いセックス-yes means yesの意義と実現性 9」の続きです。

 

 

 

完全な方法を模索する

 

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米国でさえ、「積極的合意」は大学限定のルールですから、これから米国留学でもしない限り、私にはなんにも関係がない。留学したところで学内でできる可能性はそうないでしょうし、そこで記録を残したところで困ることは何もない。

万にひとつも自分の身に降りかかることはないのですが、「ああでもない、こうでもない」と考えるのがセックスをするより好きなので、どうやったら記録を残しつつ、プライバシーが漏れないようにできるのかを考え続けました。

結論を言うと、難しいです。完璧かつ簡便な方法はないと言っていい。

いざ裁判になったら、筆跡でわかりますから、実名を書く必要は必ずしもなく、互いに偽名でサインをしてもいいのですけど、筆跡鑑定は完全ではないので、ここで揉めるかもしれない。酔っていたり、マリファナを決めた状態のサインはいよいよ鑑定が難しそうです。

あっちでパートナーができて、それ以外とする場合、偽名としたって、手帳に「私たちはセックスすることに合意します」と二人のサインが残っているのをパートナーに見られたら、言い逃れできないでしょう。

「これは何? “陰茎デカ太郎”と“ヤリマン花子”って誰?」

「いや、全然知らない人たち」

「知らない人たちの合意書がどうしてあんたの手帳に。しかも、3つも4つも」

「ムニャムニャ」

かくなる上は、スイスの銀行にある地下倉庫にでも合意書を保管するしかなさそうです。

 

 

「積極的合意」のアプリ

 

vivanon_sentence今のところ、実現性がある中で、もっとも安全性が高く、かつ証拠能力が失われないのはスマートフォン用アプリです。

 

2016年4月、新しいスマートフォン用アプリ「YES to SEX」が発表された。このアプリでは、パートナーが合意を示す音声を最大25秒間記録し、それをセキリュティ管理されたYES to SEXのサーバーに1年間無料で保管してもらえるというもの。

音声ファイルを“証拠”として残せるというわけだ。ファイルは、万が一訴訟になった場合にのみ、アクセスができる仕組みになっている。

「クーリエ・ジャポン」より。

 

 

いろいろ考えてますね。

以下がそのアプリ「YES TO SEX」

 

 

書類をわざわざ作るより、こっちの方が簡単ということもあるでしょうし、文書にサインをしても紛失してしまうかもしれないし、相手に盗まれて破棄されてしまうかもしれず、それを防ぐ意味もあるでしょう。

 

 

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