松沢呉一のビバノン・ライフ

ファッショナブルなハミ毛はあり得るのか?-毛から世界を見る 7- (松沢呉一) -2,437文字-

オリンピックと脇毛・マネキンとハミ毛-毛から世界を見る 6」の続きです。

 

 

オシャレにハミ毛することの難しさ

 

vivanon_sentence前回取り上げたイギリスの下着ブランドNeon Moonの姿勢には大いに共感できますけど、ちょっと気になることがありました。

下は前回とは角度の違う写真から脇毛をアップにしたものです。濃すぎ。東横線の各停で、渋谷から20分くらい。それは武蔵小杉。

脇毛に見えるように、モジャモジャにしていますが、通常、脇毛は腕や体に沿った向きで生えます。その自然なウェーブ感が損なわれ、混沌としています。Chaotic Armpit Hair。ハードコアパンクのバンドみたいな。

内村航平のようになのが現にいますから、脇毛はこのくらい濃くてもいいとして、ハミ毛はどうなんでしょう(下に拡大写真があります)。一本二本のちょろ毛だったらかわいらしいですけど、あのハミ毛はワイルドすぎましょう。濃すぎであり、ハミ毛としてあまりに不自然です。

しかし、このくらいやらないと、遠目から気づかれにくい。ちょびちょびっと出ているだけだと、マネキンにもかかわらず、「あら、あのマネキン、うっかりハミ毛しているわね」とロンドンのおばあちゃんに言われそうです。

 

 

すり抜けた毛の困惑

 

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何年か前の話。なべやかんが電話をしてきました。

「ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

何か深刻な悩みでもありそうです。

「どうしたの?」

「実は、テレビ番組で、あるタレントの水着の繊維の間から、陰毛が1本出ていたのが見えたんですけど、この場合、彼女の陰毛を見たと言っていいんでしょうか」

思っていたより深刻でした。

「うーん、陰毛であることには違いがないんだから、陰毛を見たと言っていいんじゃないかろうか」

その時はそう答えたのですけど、何かこうスッキリしないものが残ります。

たとえば「桜庭ななみの陰毛を見た」と言った時にイメージするのは、控室を間違えて入っていったら、桜庭ななみが着替え中で、パンツを履いていない状態を見てしまったか桜庭ななみ写真集 階段 N↑UP(ななみアップ)のようです(誤解のないように注を入れておきますが、なべやかんが水着から飛び出た毛を見たのは桜庭ななみではありません。誰だったか忘れましたが、たしかさして売れてないグラドルじゃなかったかな)。

水着の繊維の間から1本毛が出ているのを見るのとではあまりにギャップがあります。

パンツを履いていない状態で見るのとは比較にならないですが、桜庭ななみに取材したとして、青山にある喫茶店のテーブルの上に「これ、私の陰毛です」と言って毛を一本置いた時でも嬉しいとは思います。

「インタビューの記念にとっておいてください」と言うなら、もらって帰って大事にしますし、お礼に写真集でも買おうと思いますが、そんなもん、マネージャーの毛かもしれないですから、「私の陰毛です」という情報があっての嬉しさです。

 

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