松沢呉一のビバノン・ライフ

女王様たちがチンコに挑む—チンコ調査 2-[ビバノン循環湯 173] (松沢呉一) -3,424文字-

顔とチンコの関係は?—チンコ調査 1」の続きです。

 

 

 

この実験は失敗したのかもしれない

 

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ここまで風俗嬢とスタッフ計24人にやってもらい、平均1.2点。ごくわずかに偶然当たる数値を上回ったが、これでは誤差の範囲でしかない。あるいは肉付きでわかっただけかもしれない(そこで判断しようとして失敗したのもいたわけだが)。

数字を分析すると、6人も当たったチンコがある一方で、1人しか当たらなかったチンコがあり、当たりやすいチンコと当たりにくいチンコがはっきりとあることがわかる。この差の間に、チンカスだけではない何かがあるのだ。

また、皆が間違えやすい組合せもいくつかあった。正解ではないが、「こういう顔はこういうチンチン」あるいは「こういうチンチンはこういう顔」という法則が皆の頭の中にあるのだ。乳と同じである。

ペニスの歴史―男の神話の物語 このことから、外見とチンコにはやはり何らかの因果関係があるのとの思いを否定できない。当たってないのだから、意味がないと考えた方がいいかもしれないけれど、面白いので、もっと続けたい。

男が女の乳を語るように女がチンコを語る機会は少なく、女の裸のように雑誌でしげしげと男の裸を鑑賞することもあまりないため、風俗の仕事をやっていても、そのことを冷静に見極めることができないに違いない。

事実、いくらチンコをたくさん見たり、入れ込んでいても当たるとは限らず、ここまでの最高得点3点を出した4人に関して言うと、いずれもクールで男に溺れないタイプである(この4人のことはそんなによく知らず、プライベートも知らないので、実際のところはどうなのか知りませんけど)。

皆さんに、チンコと体や顔の関係を聞いたのだが、よく知られる「太っているのはチンチンが皮下脂肪に埋もれるので小さい」という話や「体が立派だからといってチンチンが立派だとは限らない」「身長もあまり関係がない」というのがだいたい共通した意見。さらには「肩幅が広い人はチンチンが太い」「骨格のガッシリした人の方が立派」という意見も複数出た。まっ、何を言っても当ててもらわなければ話にならないんですけどね。

人一倍チンコにうるさかった「ピュアラブ」のSマネージャーは、悔し紛れもあって、「本人と話をしたあとだったらもっと当てられる」と豪語しており、他にも写真で当てるのは難しいという意見があった。やはり生身の男を集めて、「風俗嬢対抗チンコ当てコンテスト」をやるしかないのだろうか。

 

 

なぜ風俗嬢たちは当てられないのか

 

vivanon_sentenceこのままでは引き下がれない。途中経過で言うなら、風俗嬢に協力してもらっての調査の結果には失望した。顔あるいは体型とチンコとの間には相関関係などないのではないか、あったとしてもそこから法則を見いだすことができるほどのものではないのではないかとも私は考えた。

笑うペニスもしくは闘う海綿体 (ラッコブックス) しかし、冷静かつ執拗な私は、こうも考えた。所詮、風俗嬢らはチンコをまともに観察してはいないのではないか。観察するとしても、性病ではないか、チンカスがついていないかなどに労力は注がれて、その形状や長さ、大きさに興味がないのではないか。興味があるのは金だけ(言い過ぎ)。

例えば、私が風俗誌を見る場合、乳を出していない風俗嬢がいると、「どんな乳してんだろ。小さいから隠しているんだろうか。子どもがいるため、垂れているんだろうか」などとやっぱり想像してしまうし、マンコのこだわりが強い人だと、マンコの形状まで想像することだろう。いざその風俗嬢と遊ぶ際には、妄想した肉体と現実の肉体とを比較して納得したり失望したりもする。

風俗嬢の場合は、出会った数分後には客と全裸でくんずほぐれつするから、こういった想像の余地がほんどんなく、想像した肉体がないため、現実の肉体を見ても、納得や失望が起きにくい。ふだんから、海外もののモロ出しを見て、チンコを鑑賞する生活もしていないだろう。

カップうどんのCMで、娘さんが、いやらしい想像をして一人興奮するのがあるが、あのような想像をする場合でも、女性の場合は「この人、どんなセックスするのかしら。マンコをたくさんなめてくれるかしら」といった方向に行ってしまい、具体的チンコを想像することはまずないだろう。

 

 

女王様たちのお出まし

 

vivanon_sentenceそこで私は次の実験に着手してみることにした。女王様である。彼女らはより冷静に男の体を見ているに違いなく、しばしばロープで縛ったり、尿道にカテーテルを入れたりもしており、風俗嬢よりずっと冷静にモノとして扱っている。いきなり裸から始まるのではなく、服や下着をつけた状態からプレイが始まることもあるので、そこには想像の余地もある。自身は裸にならないのだから、客観が保ちやすい。

 

 

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