松沢呉一のビバノン・ライフ

声を出せる幸せ-親のセックスを見た娘が自分の子どもにセックスを見られたケース-[ビバノン循環湯 183] (松沢呉一) -5,671文字-

他者を否定する武器としての愛に、「女はAVのように大きな声で感じるはずがない」などと平然と書いて恥じない世間知らずの恥知らずがいることを紹介しましたが、私は学生時代から声が大きい女子といたしてましたし、それ以降も、そういうタイプをいっぱい見てきています。自分がそうじゃないとしても、周りに聞いてみればいいのにさ。そんな人間に本当のことはなかなか言わないのかもしれず、似たようなタイプしか寄せつけていないのかとも想像しますけど、知る方法はナンボでもあるだろうに。しかし、こういう人たちは事実を知ろうとなんてしません。事実を知ることが怖い。セックスを直視することも怖いのです。そのために他者の性を平気で否定できる異常。

声の大きい風俗嬢について書いたものは『風俗ゼミナール』のどれかにも収録されていたんじゃなかろうか。忘れました。今回は単行本未収の原稿を循環しておきます。四国の風俗雑誌「Ping」の連載に書いたものだと思います。遊びで行っても取材モードになってしまうことがよくあります。取材に切り替えているわけではなくて、話が面白いからダベっているだけですが、こん時も半分くらいはダベっていたんじゃないかな。

 

 

 

ラブホ万歳

 

vivanon_sentence今は自宅でセックスすることは皆無だが、ラブホテル代がもったいなかった学生時代の私は、いつも自宅でセックスをしていて、私の自宅でなければ相手の自宅でセックスしていた。それ以外にも、公園などでハメていたが、どれもこれも場所代はかからない。

しかし、貧乏学生の住む安普請のアパートでは困り果てることがあった。その真っ最中に、隣の住民に壁をドンドンと叩かれたことも一度ならずある。

また、私とセックスをし始めるまで処女だったハズの高校生は、最初から声が大きくてまいった。ある時、塀を挟んで隣にいる大家の奥さんから、「もしかすると、うちの娘がそちらにおじゃましていることがないですか」と聞かれた。この家には高校生の娘がいたのだ。

彼女は普段の話し声も大きく、その声が似ていたのだろう。その上、あえぎ声が聞こえてくるために親として心配になったのだと思われる。娘と疑われたことよりも、すべて丸聞こえであったことに恥ずかしい思いをした。

だから私はなんら気にすることなく相手が声を出せるラブホが好きなのだ。それに、風俗店も好きなのだ。

ラブホが好きな娘っ子のダチが何人かいて、ラブホ情報をもらっているが、若い世代だけじゃなく、奥さんたちにもラブホ好きがよくいる。とくに子持ちに多い。なんでかというと、大きい声が出せるから。近所の家に聞こえるのも困るが、同居している親や子どもに聞こえるのも困る。

独身時代は、セックス自体を楽しむために金も使うが、結婚して以降、わざわざラブホに行く金はもったいなく、旅行に出かけたところで、子どもも一緒じゃ自宅と同じだ。そのために、「声を出せないストレス」を溜め込むことになる。

知り合いの既婚女性が言っていた話。

「時々、子どもをおばあちゃんのところに預けて、うちでセックスをするんですよ。日曜日の昼間とかに。その時は思い切りしちゃいますよね。でも、そのあと、子どもを迎えに外に出た時に、近所の人と顔を合わせるのって、照れくさいですよね」

「隣近所に響き渡る大声なんか」

「自分でも没頭しているから、どのくらいの声がでているか、わからない。下の家の奥さんと会うと、ニヤニヤするんです。前にうちの上に新婚さんが住んでいて、声は聞こえなかったけど、ギシギシとベッドがきしむ音が聞こえてきた。たぶんうちの音も下に聞こえていると思うんですよね」

下の家にいる子どもが「ママ、あれはなんの音? ポルターガイスト?」と親に聞いてきたら、これまた困ってしまおう。

その点、風俗店では声を出してもいい。だから乱れてしまう奥さまたちが現にいる。

 

 

金とエロとを叶える仕事

 

vivanon_sentence仕事で立ち寄った歌舞伎町の人妻ヘルスで、在籍の人たちの写真を見ていたら、どうしても会ってみたい人がいた。私の好みの美人さん。その場で出勤予定を聞いて、後日、客で入った。

写真では、山の手の上品な人妻といったお澄まし顔だったのだが、生の彼女は全然違って、下町の庶民的な奥さんといったノリ。彼女は二九歳で、来年小学校に入る子どもが一人いる。腹にはくっきりと帝王切開のあとがある。それでも体の線はさほど崩れておらず、贅肉もない。

彼女は元エステティシャンだそうだ。

「なかなかあの仕事も大変なんですよ」

「ノルマがあって、ノルマを達成するために借金して売り上げを伸ばしたりするんだってね」

これも元エステティシャンの風俗嬢に聞いた話だ。

「私のいたところは借金まではしなかったけど、売り上げが立たないと、収入にならない。もっと確実に稼げる仕事として風俗を選んだんですよ。私立に行かせるつもりはないけど、子どもが小学校に入ると、お金がかかるじゃないですか」

よくは知らないが、そういうもんらしい。切羽詰まって金が必要なわけではないが、どうせならもう少し余裕が欲しいってところだろう。

「今も夫はエステティシャンをやっていると思ってます」

よくあるように、別の意味で、彼女はこの仕事にやりがいを感じてもいた。つまりはエロである。あとで語ってくれたように、夫婦関係は良好。しかし、それ以外でももうちょっと遊びたい。一挙両得。

※熟女というには若すぎる世代を指す呼称が必要だというので、「コギャル」にひっかけて、「コ熟女」という用語を作って使用していたことがあるのですが、全然広がらず。でも、先日歌舞伎町で、こんな看板を見つけました。一度挨拶に行かねば。

 

 

イクーッの連呼

 

vivanon_sentence彼女は少しずつ体が高まっていくタイプ。よくそうするように、私は後ろから彼女の体を抱きしめて、体を触っていたのだが、すぐに脚をすりあわせ始め、やがてはおしゃべりな彼女の言葉が途切れ、その代わりに「ンーッンーッ」という声が出始める。彼女のあえぎ声は一貫して「ンーッ」なのだが、これがどんどん大きくなっていく。

パンティの脇から指を入れて確かめたら、すでにジットリと濡れている。たぶん嫌がらないだろうと思って、彼女を四つんばいにさせた。

「ナニ、ナニ、こんな格好、恥ずかしいですよ」

そう言いながらも素直に四つんばいになって、お尻を突き出す。

「いやらしいところをよく見ようと思って」

下着を下げる。

「イヤッ、恥ずかしい」

口でそうは言うが、抵抗はしない。

指で開くと、ゆっくりとお尻が円を描いている。

「イヤッ、イヤッ、こんな格好」

ヒダを吸い上げると、「気持ちイイ、気持ちイイ」と繰り返し、このあとは言葉にならない。苦しそうにも聞こえる「ンーッ」の絶叫が続く。

クリをなめる頃には、腰の動きが一層激しくなり、舌を固定するのが難しいくらい。彼女は「ンーッ、ンーッ」という声を大きくして、自分の尻を手でつかんだ。

「イクーッ」と叫ぶが、すぐにはイカず、さらに「イクーッ、イクーッ、イクーッ」と繰り返してから、腰を落とした。

「すっごい気持ちよかったあ。こんな格好でイッたの、初めてですよー。セックスで後ろから入れられるのは好きだし、イケるけど、バックのクンニもこんなに気持ちがいいんですね」

「中も好きでしょ」

「うん、好きですよ」

舌を入れた時にひときわ大きな声を出していたのだ。

 

 

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