西野カナvs.星野源—ビョークが主張する音楽業界のセクシズムは存在するのか? 6(松沢呉一) -2,450文字-
「エンヤはどうなる—ビョークが主張する音楽業界のセクシズムは存在するのか? 5」の続きです。
歌詞を調べる
ビョークの主張をきっかけに、私が聴いてきた女性ヴォーカリストの歌詞をネットで調べてみようと思い立ちました。ヒアリングが不得意な私でも、英文歌詞を簡単に調べられる便利な時代です。
本人が歌詞を書いているわけではないですが、古いところで、NICOの「These Days」をまずチェック。
これはラブソングとは言えないですけど、“I had a lover”という歌詞が出てくるので、恋人のことを歌っていると言えなくもない。これは△。
これ以降、ジェーン・バーキン、コクトー・ツインズを調べたのですが、すぐに挫折しました。いくら便利な時代になっても、私は英語の読解力もたいしたことがありませんでした。youが誰のことかもはっきりせず、解読するのに時間がかかりすぎます。日本語の歌詞だってわからんのが多いのに、英語で遠回しな表現をされるとお手上げ。まして、ジェーン・バーキンは仏語曲が多いし。
そもそも海外だと、国の差も出さなければならず、自分の好きな人だけを調べても偏ります。
条件が揃えやすく、歌詞も理解しやすい日本じゃな。
西野カナの歌詞
自分の趣味は捨て、歌詞検索サイト歌ネットを使って、最近のものを調べてみました。
閲覧回数が多いのは西野カナです。
ビョークの指摘を見た時に、それを日本の状況に置き換えて、たとえば西野カナみたいなのを思い浮かべて、納得してしまう人たちがいるのだと思います。女の歌い手はあんな曲しか歌わせてもらえないのだと。
https://www.youtube.com/watch?v=FIa8T9jbG9Q
もちろん、西野カナの存在は知ってましたし、有線等で耳にすることはたびたびありましたが、興味がないのでちゃんと聴こうとしたことはなく、今回初めて動画を観ました。観てもやっぱり興味はない。
西野カナを歌ネットで検索し、共作を除いて、西野カナが作詞した曲を上から30曲ピックアップしました。
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