脇毛研究に一石を投じる記述—丸尾長顕著『粋女伝』2-(松沢呉一) -2,604文字-
「若き日の戸川昌子、湯川れい子、加賀まりこ—丸尾長顕著『粋女伝』1」の続きです。
誘惑する粋女・宝みつ子
前回名前を出した戸川昌子、湯川れい子、加賀まりこのように、今もよく知られる人たち(戸川さんは昨年他界してしまいましたが)だけじゃなく、丸尾長顕著『粋女伝』にはさまざまに魅力のある粋女たちが登場します。
宝みつ子という女優がいます。名前は見かけたことがありますが、詳しくは覚えておらず、検索したら、Wikipediaに項目がありました。嵯峨野れいという名前で歌手の活動もしていて、CDも出ています。
Wikipediaには「漫画家の小島功が描く仙人部落のイメージキャラクター的存在としても知られる」とありますが、仙女のモデルになったのか、何かのキャンペーンに起用されたのか、詳しくは不明。
検索している時に気づいたのですが、「仙人部落」は深夜のテレビアニメになっていたのか。私が幼稚園の時ですから、こんなもん、観るはずはないですけど。
すごいアニメ。動きの悪さ、テンポの悪さ、間の悪さ。でも、癖になりそうです。
本に添えられた写真を見ると、宝みつ子はたしかにこの仙女のように彫りの深い美人さんです。ダンサーとしてデビューし、踊りで世界中を渡り歩き、帰国後は日劇ミュージックホールで活躍。
彼女のところに厚かましいファンから電話があり、「何かあなたの身についたものをくださいませんか」と言います。これに彼女は憤慨し、著者に「あそこの毛を一本抜いて送ってやるわよ」と言ったというエピソードが出ています。相手は喜ぶだけかと思いますが、こういう冗談を言うのが粋。
下半身の活動も活発だったようです。
「男から誘惑されるなんて恥よ」
と、いうから勝ち気でそんなスキを見せないのかと思ったら
「違うわよ、こっちから誘惑するのよ」
との仰せである。
粋です。
ワキ毛の女王・内田高子
内田高子という名前は記憶になかったのですが、初期ピンク映画で大活躍した人で、この人もWikipediaに項目があります。おそらく当時の雑誌でヌード写真くらいは見ているだろうと思います。今後モデル名に気をつけてこの当時のエロ雑誌を見ます。
一般のテレビ映画にも多数出演。
大島渚監督のテレビドラマ「アジアの曙」(1964)の7話、8話にも出ているというので確認してみました。
https://www.youtube.com/watch?v=6gpNEzYx8oI&feature=youtu.be
タイトルバックの絵は樺島勝一、脚本は佐々木守、石堂淑朗。出演は御木本伸介、小山明子、小松方正、佐藤慶。小林千登勢がかわいい。
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