松沢呉一のビバノン・ライフ

猫より携帯を助ける小学生—BuzzFeedの姿勢を支持する 2-(松沢呉一) -2,537文字-

リテラシーの向上だけではデマに対抗できない—BuzzFeedの姿勢を支持する 1」の続きです。

 

 

 

小学生にとってもスマホは必須

 

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ヘビ探しをすると小学生と仲良くなるわけですが、小学生でもスマホを持ってるのが多いっすね。文科省の方針によって、学校に携帯電話を持っていくのは全国的に原則禁止とされていますが、放課後は手放せない。私は、ヘビ探しをしている時はたいてい携帯を持ち歩いていないので、小学生たちに「なんだ、この人」と思われます。

携帯を持ち歩いている時でも、すでにネットを見られない契約にしているため、アンドロイドなのに地図も見られず、哀れんだ小学生たちがガイドしてくれます。その時は「知らないおじさんを××公園に連れていくね」とスマホで親に連絡をします。学校によっても違うのですが、学区外に出る時には親の承諾が必要な学校があるのです。

この校則を守るため、遊びに行く際にはスマホが必須。スマホを持っていないおじさんに出会った時もスマホが必須。最近は公衆電話も見つけにくいですし。

こうなってくると、貧しい家庭の子どもが心配です。子ども同士だと、どうしてもガラケーよりスマホが偉くなるんでしょうし。

 

 

スーパーで聞いた父娘の会話

 

vivanon_sentence先日、スーパーで父娘が面白い会話をしてました。娘は小学校高学年だと思います。

「ボートに乗っていて、スマホと猫を水に落としたら、どっちを助ける?」

スマホ

娘は即座にそう答え、お父さんは「エーッ!」と言って絶句。横で聞いていた私も絶句。

家で猫を飼っているのであれば「ミケ」とか「タマ」とか「マドンナ」とか「プリン」とか、猫の名前を出すと思うので、娘は猫が好きで、家では飼えない状態かと思います。いつも「猫が飼いたい」なんてことを言っているであろうに、猫よりスマホかよ。

しかし、娘は以下のようにその理由を説明しました。

「だって、猫は自分で泳げるけど、スマホは泳げないでしょ」

娘、賢い。猫はあとで助ければいい。スマホが自分で泳げる機能が搭載されるまで、この選択は適切です。

 

 

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