松沢呉一のビバノン・ライフ

おまんこ暴動とおまんこ帽—プッシー・ライオットとプッシー・ハット-(松沢呉一)

 

マンコには歯が生えている

 

vivanon_sentenceワシントン女性大行進」が迫ってきました。1月21日の午前10時からなので、日本では同日の深夜から22日の朝にかけてです。

その後、Facebookでビヨンセも賛同表明を出しFacebookのイベントページだけでも、21万人が参加予定になっています。これは重要なイベントになるかもしれない予感があります。

それに先立って、プッシー・ライオットのナディアがこんなメッセージを公開。

 

 

ナディアは相変わらずPUSSYを筆頭としたエロワード連発。

ナディアはその意味をはっきり示しています。

 

 

マンコは声を持っている。マンコは歯を持っている。

 

これはヴァギナ・デンタタ(Vagina Dentata)を踏まえた表現です。歯の生えた女性器は去勢恐怖の象徴です。男の中にある性に対する恐怖、とくに女の性に対する恐怖が、マンコに歯を生やす。

この辺を読むとわかりやすい。

 

社会が父権制社会であればあるほど、この恐怖は空想によって、よりかき立てられるように思われる。

 

ナディアは「父権制に対して歯をむき出せ」「マンコに語らせろ」「言葉とマンコのために立ち上がれ」と言っているわけです。

 

 

ヴァギナ・デンタタとしてのプッシー・ライオット

 

vivanon_sentence彼女のこれまでの活動も、PUSSYを連発するのも、それ自体がヴァギナ・デンタタであり、これを恐怖する人たちがいます。

これまでにも指摘してきたように、これを恐怖し、嫌悪するのは男だけではありません。家父長制の中でうまいことやりたい女たちも恐怖し、嫌悪します。むしろ、露骨にこれを抑圧しようとするのは女たちであることを論じた長文を近々出す予定です。

道徳からはみ出す女たちを嫌悪し、排除し、制裁したがる女たちの群れを見てください。既得権を守りたい女たちは、女が下品なワードやエロワードを口にすることも許せない。女の口とマンコから歯を抜きたいのです。

「日本のフェミニストたちは、プッシー・ライオットのような存在を受け入れないのはなぜか」の問題。歯をむき出しにした「おまんこ暴動」が恐いのだと思います。

 

 

おまんこ帽大行進

 

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「ワシントン女性大行進」のシンボルは、ピンクの「おまんこ帽」です。もちろん、この場合のピンクはエロの意味ではなく、女の意味

ふだん私はもっぱら「マンコ」と書き、話し言葉でも「まんこ」ですけど、語感としても、字面としても、ここは「おまんこ」の方が落ち着きがいい。

 

 

 

 

これが女性器をかけたものであることはこのプロジェクトに参加している人たち自身がはっきり認識しています。認識してないわけがない。

以下参照。

 

 

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