松沢呉一のビバノン・ライフ

2017年度・日本の陰毛-毛から世界を見る 37- (松沢呉一) -2,443文字-

世界の陰毛・男子編-毛から世界を見る 36」の続きです。

 

 

毛相学と平井利市について

 

vivanon_sentence今週のFLASH」(2月28日号)で毛相学を取り上げていて、私もコメントしています。

毛相学というのは、わかりやすく言えば「毛占い」です。手相、顔相などに対して、毛で占うのが毛相。毛の中でも、とくに陰毛が対象です。

その権威(というものがあるのかどうかわからんけれど)だったのが平井利市という人です。とっくに亡くなってますが、一生を陰毛研究に捧げた人物です。その著書はもちろん読んでますし、うちのどこかに、平井利市が残した手書きのノートなどなどがあるのですが、だからといって私は毛相学の信奉者ってわけでもなくて、平井利市が残した資料もちゃんと中を調べてはいません。

陰毛は男性ホルモン、女性ホルモンのどちらにも関係しつつ、どちらかと言えば男性ホルモンが強く関与しておりまして、陰毛が身体内部の状態を表すことがあり得るわけですけど、だからといってその人の運命まではわからんでしょう。

今はなき陰毛を懐かしむ」でも確認したように、毛は人種によっても左右されますが、性格や運命が人種によって決定されているわけではなく、それより環境であり、個体差であることは明らかです。

私自身の体験からしても、「陰毛が濃いから」「陰毛が薄いから」「こういう生え方だから」ということから見えてくるものんてないでしょう。「濃いこと」あるいは「薄いこと」で悩んでいることがあるかもしれないという程度のことしかわからない。

まして現在は、手が加わっていますから、陰毛を見たところで、本来の状態が残っていない。

しかし、「どう処理をしているのか」には性格や性体験が出るかもしれない。「陰毛は処理しているのに、ケツ毛はそのままの人は体裁だけ取り繕う性格」とか、「毛が剃られていて、そこに豚の烙印があればマゾ」とか、「ハーケンクロイツ型に陰毛を残している人はネオナチ」とか。占いでもなんでもない。

「昔はこんな面白い人がいた」という話はできるとして、平井利市の業績を再評価する意味はないでしょう、そういう内容のコメントをしておきました。ゲラがメールで送られてきていたのですが、最近メールのチェックをたまにしかしないために見逃していて、どう誌面に反映されているのかは知らない。

 

 

日本における陰毛の現状

 

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商業誌であれば経費も使えるんですから、「世界の陰毛はこうなっている」「日本の陰毛はこうなっている」という記事を作った方が面白いと思います。世界中で陰毛は消えつつあるという話はチラホラ雑誌やネットに出ていますけど、まだ知らない人も多いですし、私自身、日本での陰毛状況について正確なデータを知りたい。

今現在、日本の陰毛はどうなっているのか、銭湯やサウナに行くとある程度のことはわかりますが、あくまで「ある程度」です。

 

 

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