児童陵辱ポルノ『親なるもの 断崖』のダウンロード販売再開—「ポスト真実」はとっくに進行していた 1-(松沢呉一) -2,463文字-
歴史に偽装した児童陵辱ポルノがまたゼニ儲け
このページの右肩を見てください。今現在、「ビバノン」の人気ランキング1位は「幕西遊廓について調べる-『親なるもの 断崖』はポルノである 番外1」です。
この人気ランキングの詳しい計算式までは知らないですが、過去の数字も換算されるため、古くてPVの蓄積のあるものがあっさり上位に入ってくることがあります(トータルのPV数というわけではなく、最近の数字は高く、過去のものは低く換算されているはずですが、よくわからない動きをすることがあるので、詳細は不明)。
今年になってからの「ビバノンライフ」のPVを見ると、1位は「『夫のちんぽが入らない』と『妻のまんこに入らない』」、それとほとんど並んで、2位は「『憐れみ』の頭に『お』をつける」。
この2つが他を大きく引き離しており、その半分くらいのPVしかないですが、このところ、急速に伸びてきている3位が「幕西遊廓について調べる」であり、ここ1週間ほどに区切るとトップです。
「『親なるもの 断崖』はポルノである」シリーズは昨年の6月から7月にかけて書いていたもので、それ以降もずっとアクセスはあったのですが、たいした数ではありません。突発的に上昇することもありますが、公開してから2ヶ月もすると、1日のPV数はおおむね各タイトル一桁になってました。
しかし、1月20日から、アクセスが増えてきます。誰かがリンクをしてくれたのかなと思って、さして気にもしていなかったのですが、知人がその事情を教えてくれました。小学館が『親なるもの 断崖』のダウンロード販売を開始し、一巻目の無料ダウンロード公開をスタートさせていたのです。AmazonでもKindle版を無料公開中。
絶句しました。娘が「猫よりスマホを助ける」と即答した時の絵に描いたようなお父さんの絶句ぶりを思い出します。
金になればなんでもよし
なぜ版元が小学館になったのか知りませんし、どうでもいいですけど、曽根富美子って人も、小学館も呆れたものです。「金になればなんでもよし」「事実よりも金が好き」を隠しもしない人たちがここにも。
「親なるもの 断崖」でググっても、「ビバノンライフ」はなかなか出て来ないですが、「幕西遊廓」で検索すると、「幕西遊廓について調べる」がトップに出てきます。そのため、この記事が急上昇し、そこから他の記事に進む人たちもいるため、シリーズ全体のアクセスが増えていて、さらには「『吉原炎上』間違い探し」「『女工哀史』を読む」など、関連記事のアクセスも少しずつ増えています。
アクセスが増えるのは嬉しいし、性にまつわる歴史は、道徳によって歪められたものが多いため、多くの人が読んで、そのうちの一部でいいので、自身でも調べ、間違っているものを見つけたら指摘していって欲しい。そりゃ、購読してくれるのが理想ですけど、金を払うのがイヤなら、自分で調べていって欲しい。そして、調べたことを発信して欲しい。
金を出すのが惜しくて、『親なるもの 断崖』を読んでいなかった人は、この機会にタダで読んで、「『親なるもの 断崖』はポルノである」シリーズの指摘を確認していただきたい。ただし、これはポルノですから、18歳未満の方はお控えください。
いかに私が書いたものを読む人が増えようとも、またも『親なるもの 断崖』がゼニ儲けを開始したのかと思うと、暗澹たる思いになります。「ビバノン」を読む人はその一部にしか過ぎず、間違った遊廓理解が怒濤のように広がり、これっぽちも調べようとしないまま「これが歴史の真実だ」などと騒ぐ糞が増えるのでしょう。
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