松沢呉一のビバノン・ライフ

まみちゃんは甘えん坊—「女子」の用法 17(最終回)-[ビバノン循環湯 241] (松沢呉一) -3,240文字-

雨宮まみの二重の誤り—「女子」の用法 16」の続きです。

 

 

安倍昭恵も女子

 

vivanon_sentence最新の女子用例です。

 

毎日新聞/経済プレミア」より

 

五十代の安倍昭恵に「女子」を使用していますが、これは分類用「女子・男子」ですね。「意識高い系」という分類がすでに存在している上で性別を示す。「未婚男子・既婚男子」「未婚女子・既婚女子」という分類のもとで、五十代に使用してもいい「男子」「女子」の延長です。

これに対して、「昭恵夫人は『いいね!』が欲しい女子か」とは言わないでしょう。まして、安倍昭恵自身が「私は『いいね!』が欲しい女子なのです」とは言わない。言ったらバカにされるのは必至。

とくにこの場合に「女子」を使用したのは、「いい歳こいて」「二十歳そこそこの小娘じゃあるまいし」というニュアンスも込められていそうです。「意識高い系女子」を「意識高い系女の子」と言い換えてもいい。

雨宮まみはこれを自らやってしまったのです。

 

 

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