松沢呉一のビバノン・ライフ

上野千鶴子の正しい言葉遣い—「女子」の用法 12-[ビバノン循環湯 236] (松沢呉一) -2,457文字-

性別で判断する人たちの限界—「女子」の用法 11」の続きです。

 

 

安倍内閣支持率は女の方が高い現実

 

vivanon_sentence前回見た記事で、男女の議員数が同数に近づいた方がいいという点は同意します。「婦人参政権」獲得記念を祝うのもいいでしょう。

しかし、議員数は、制度的な不備によってもたらされているものではありません。投票で決定されているのであって、国民の選択です。そもそも立候補者の率が違うので、「女たちは立候補せよ」「政治参加せよ」という呼びかけは正しいとして、「女の議員を増やせ」といくら言っても無駄。「女に投票しろ」と呼び掛けるのもおかしい。

ちょっと前に公開されていた北海道新聞の調査が面白いですよ。

 

 

 

 

安倍内閣の強気は支持率がまだ高いことに裏付けられているわけですけど、「いったい誰が支持してんだよ」という話がよく出ますね。ここに答えのひとつが出ています。

男女比を見てください。「男女別でみると、男性は支持が43%、不支持が50%だったのに対し、女性は支持が48%、不支持が49%とほぼ並んだ」。もっと低くてもいいように思うのですが、男は支持が43パーセント。これだと安倍内閣も少しは焦る。ところが、女は48パーセントです。おおざっぱなことを言いたがる人たちに倣えば、安倍政権の暴走を許しているのは女です。

選挙権がなかった時代ではないのですから、女たちにも責任があるのだし、この数字を見れば、より責任があるのです。性別でこれだけ差があることには意味があると思いつつ、女という性別で批判してもしゃあないですけど、「男だ、女だ」と性別で問題を理解し、解決を求める人たちは議員の「おじさん」だけでなく、「ねえちゃん」「おばさん」「ばあさん」たちを叱らなければ筋が通らない。

でも、それができない人たちがいるのだと思います。女たちも戦争に積極的加担したこともなかったことにしたように、矯風会こそ、あるいは婦選運動を担った人たちこそが戦争に加担したことを総括できなかったように、「男と女」という区分をして、「女には主体性はない」とごまかしてきた人たちは、女の責任を問うことができない。

だから、いつまでもこうなんですよ。それが言葉に出てしまっている。

性別はどうでもいい。人で見ましょう。

※本文には関係のない女子校。品川区にあります。

 

 

甘えた女を許さない回答者

 

vivanon_sentenceこれと逆に、「女・男性」のケースがあるのかどうか探してみたら見事な例がありました。

 

 

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