松沢呉一のビバノン・ライフ

東京レインボープライド2017—バレードの写真はほとんど撮ってないのに写真で振り返るTRP2017-(松沢呉一) -4,506文字-

 

東京レインボープライド2017開催

 

vivanon_sentence昨日は、東京レインボープライド(以下TRP)のパレードでした。私は落ち着きがないので、中に入らず、「あっち行き、こっち行き。あっちでダベり、こっちで休憩」が好きなのですが、昨日は比較的パレードの中にいることが多く、あんまり写真を撮ってません。

私は勘違いしてパレードは前日だと思っていて、出掛ける直前に気づきました。明けて昨日は午後1時からだと勘違いしていて(実際には12時スタート)、代々木公園着いたのがギリギリになりました。そのため、取材申請しなかったこともあって、写真を撮るのは諦めました。勘違いしすぎ。代々木公園と日比谷公園を勘違いしていなかっただけまだまし。

最近、BiSHのことで頭がいっぱいなのと、『わたしの「女工哀史」』シリーズでも頭がいっぱいで、そのふたつで頭脳のほとんどを使っているため、残りの容量が少ないのです。そろそろ脳内ハードディスクをヴァージョンアップしないと。

それでもちょっとは撮ってます。

 

 

パレードのトップはマーチングバンドで、先頭は定石通りカラーガード(旗振り隊)でした。道路全面を使えると、カラーガードのパフォーマンスができて、かっちょいいんだけどなあ。韓国だって台湾だって道路を全面封鎖しますから、日本でもなんとかできんもんですかね。

以上。

もっと撮ってますけど、パレードの写真やドラァグクィーンの写真は撮っている人たちがいっぱいいるので、そちらを参照していただくとして、私はおもにパレード自体ではない写真を出しておきます。

 

 

沿道の店の様子

 

vivanon_sentence今回、フロートとフロートの間がえれえ空いていて、表参道の清水湯でひと風呂浴びようと思ったくらい。

フロートとフロートの間に私はLEVISのショップに行って「FIGHT STIGMA」のTシャツを購入して、お色直しをしました。

 

 

 

これについては、LEVISのサイトを参照。LEVISが1982年から、HIVにこうも積極的に取り組んでいたとは今の今まで知りませんでした。ACT UPがスタートする5年も前です。

当初、サイトでは店頭販売はなしになっていたのですが、現在はいくつかの店舗でこのキャンペーンTシャツを取り扱ってます。大変親切な店員に聞いたら、この日は売り上げ好調。私が買った時も、ほかに2名購入しようとしている人たちがいました。

でも、ちょっともったいなくて、店の外からはこのTシャツを販売していることがわからない。販売上も、パレードへの意思表示としても、路上から見えるようにした方がよかったのに。

その代わり、隣のKiplingの店員さんたちが店の前に出てエールを送ってました。この日は違いましたが、私はずーっとKiplingのリュックを使ってます。十年以上使っているはず。使いやすい上に丈夫なんですよ。

 

 

この一画の店の並びはパレード一色で、以下はラフォーレ前の交差点にあるコンドマニア

 

 

もちろん、LUSH原宿店もこの状態。

 

どこの店舗で見たか忘れましたが、写真左下のポスターは、他店でも現在掲示中。

 

 

本年のブース

 

vivanon_sentence代々木公園では土日の二日間、フェスタが開かれていて、ブースは今まで以上に数が多く、あとはけやき並木エリアまでを借りないと、数を増やせないのではなかろうか。

どうしても企業ブースに注目が集まりますけど、大事なのは相談のブースです。行政書士や弁護士が相談を受け付けているブースや学生団体のブースです。海外で結婚をするための相談を受け付けている各国観光局のブースでも相談しているカップルを見ました

 

 

これは早稲田大学と卒業生の団体によるブースで、早稲田大学だけでなく、各大学のサークル紹介をしてました。通りすがりで聞くともなく聞いてしまったのですけど、相談者の通う大学にサークルがない場合は、他校の学生を受け入れている大学のサークルを紹介していて、細やかな情報提供をしてました。

自分のセクシュアリティについて悩んでいた学生が、今年ここで相談をして楽になったという話を知人から聞きました。その知人は相談に乗っていたのですけど、学生ではなく、当事者でもないので、相談に乗り切れず。

東京の大学生だからと言って、誰もが気楽にカミングアウトできる状態にはなく、かといってどこかにいきなり飛び込むのは勇気がいりますから、こういう場所でこそ、相談コーナーは必要とされています。全員が全員相談者ではないでしょうが、実際、このブースはつねに人がいっぱいいました。

 

 

愛の戦車登場!

 

vivanon_sentence大事なことを先に書いておきましたが、見た目で目立っていたのは、なんと言ってもDIESELのブースの上にある戦車のオブジェです。

 

 

これは今年の春夏キャンペーン「MAKE LOVE NOT WALLS」に因んだものです。

 

 

このメッセージには泣きました。

 

 

まだ観てない方は是非こちらをご覧ください。

愛を武器にトランプ政権に宣戦布告したような内容です。

企業がこういうメッセージを出すことの意義は計り知れない。

渋谷駅前もこの状態。

 

 

これはパレードのあと撮ったもので、雨が降り出しました。

 

 

ドン・キホーテのブース

 

vivanon_sentence今年、私が注目したのは、ドン・キホーテがブースを出していたことです。

 

 

レインボーグッズ各種を販売していたのですが、ドンキだけに単価の安いものが多かったので、それほど利益は出ていないだろうと思います。利益を出すためではなくて、ドン・キホーテもこの闘いに参戦したことの表明ってことでしょう。

ほんの数年前までは、外資系とLGBT周りのショップやメーカーくらいしか参加していなかったのですが、そこにチェリオが参入し、証券会社や生命保険会社、丸井、資生堂などが参入。

 

パレード参加中も、決してライフガードの宣伝を忘れないチェリオの人です。

そして、今年はドン・キホーテまでが。

以前も書いたように、企業が参加すると、その企業内での環境向上を目指す責務が生じます。参加する段階でまったくその意識がないわけではないでしょうが、いよいよ仕事をしやすい環境になることが期待され、人材も集まりやすくなりましょう。

 

 

BuzzFeedのブース

 

vivanon_sentenceそして、もうひとつブースで注目したのはBuzzFeedです。BuzzFeedがブースを出していたこともまた意義あり。

 

 

以前はゲイ雑誌がブースやフロートを出していることもあって、メディアがブースを出すこと自体は珍しくないのですけど、今やネットメディアの時代です。

BuzzFeedはセクシュアルマイノリティ関連の記事を積極的に出していますし、丁寧に取材も続けています。TRPへの参加はその表明であり、これもまた責任が生じます。

ブースで金を得るわけではなく、ただステッカーとボールペンを配布していただけですけど、ニュースサイトがブースを出すのは、おそらく認知度がなお低いための宣伝という位置づけかと思います。

BuzzFeedの姿勢は共感でき、私も支持を表明してきた通りですが、ネットでは記事単位で完結するので、利用者は媒体名を意識しにくい。意識することもまたメディアリテラシーのひとつかと思いますが、記事を読んでいても、どこが出しているのかわからない。そのため、似たような名前で、クォリティがまったく違うニュースサイトの記事をシェアしてしまったりします。

皆さん、これを機会にBuzzFeedを認知しましょう。

 

 

批判は続ければいい

 

vivanon_sentenceそれでも企業は企業の論理、企業の事情で動きますから、企業に頼りすぎるのはよくないし、期待しすぎるのもよくない。企業主導になってしまったら本末転倒です。

どこまでも大事なのは個人です。人権も幸福もセクシュアリティも表現も個人のものです。

 

 

国家や企業が個人をなしがしろにしてはならない。

その企業に問題があれば「TRPに協力的だから」と批判をためらう必要はなく、批判をすればいい。政治家も同じ。是々非々でいきましょう。

渋谷区はセクシュアルマイノリティの環境作りに積極的であるのは事実として、他までをすべて肯定する必要はありません。

パレードの途中で渋谷区の野宿者排除を批判するビラを配っている人たちがいて、その批判はやり続けるべきです。

また、イスラエルを批判する横断幕も出ていました。

 

 

イスラエル大使館が参加することに対する批判は以前からあるわけですけど、イスラエルがダメなら、それを支援、支持している米国はどうなるんだ、日本はどうなるんだってことになりますし、イスラエルへの対応に限らず、現在のトランプ政権はどうなるんだ、安倍政権だからって日本も全否定されるのかってことにもなってきましょう。

ヨーロッパ各国だってそうです。核兵器を所有している国の参加は断るのか。私個人で言えば、セックスワークにおける北欧諸国の対応には反対です。

 

※EUの大使館の人たちとその家族です。

 

完璧を求めても叶えられず、完璧を求めると完璧ではあり得ない自分自身も全否定されます。

TRPを理解し、支持する国家、団体、個人はその点に限ってすべてOK。しかし、それ以上を容認、推奨するものではないのですから、批判すべきところは批判を続ければいい。

かつて安倍明恵がTRPに参加していたことがありますが、だからと言って批判をゆるめる必要はない。批判を続けましょう。

以下は個人的な話。

 

 

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