松沢呉一のビバノン・ライフ

東大の三四郎池で考えたこと—「セックスワーカーのためのアドボケーター養成講座」のご報告 1-(松沢呉一)-2,819文字-

去る4月29日と30日、「セックスワーカーのためのアドボケーター養成講座」がありました。

私も講師の一人で、このことを報告しようと思っていたのですが、今の私は「こうざ」と聞くと、「講座」ではなく「高座」を思い浮かべる俄かの落語ファンでありますから、落語を聴くのに忙しい。

でも、昨日は国際セッスクワーカーズデイだったので、遅ればせながら、この報告をしておくことにしました。昨日のうちに更新しようとしてできなかったのですけどね、落語を聴くのに忙しくて。

 

 

当日の(私の)様子

 

vivanon_sentence

まず先にお断りしておくと、セックスワーカーのためのアドボケーター養成講座から一ヶ月以上経ってしまって、この日のことはほとんど覚えてないです。最初からわかっていなかったと言った方がいいか。

私はジッとしてられない体質なので、30分聴くとタバコを吸いに出ます。東大には喫煙所が少なくて、別の建物の脇にある喫煙所まで行くしかない。

その建物が古くて、どうしたって、ついでに中を探検するじゃないですか。その建物のさらに向こうに三四郎池があります。ヘビを探すじゃないですか。

戻ったら、次の講義が始まってます。ジッとしてられなくて、30分聴くとシッコしに行きます。シッコしたついでに他の教室が気になって探検するじゃないですか。以下省略。

こんな感じだったので、最初から他の皆さんの話をロクに聴いてません。ひどい。

小学校の時から「落ち着きがない」と通知表に書かれてましたが、今はもっと我慢ができない。歳をとると落ち着くのではないかと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。

深夜の散歩を2時間くらいしていると、じいちゃんやばあちゃんと出くわすことがあります。ああ、80歳になっても90歳になっても落ち着きのない人たちがいるんだなあと思います。

 

 

報告者として不適格

 

vivanon_sentence一人で5時間歩き回ることは全然苦痛じゃない。むしろ楽しい。15時間連続でパソコンに向っていることも可能。でも、長時間人の話を座って聴くのは苦痛。1時間が限界。トークイベントの出演者の立場でも、ジッとしていることが辛くなってきて、行きたくないのにトイレに行くこともあります。

無理すればジッとしていることもできるのですが、ノートにキンタマの絵を描いたり、周りの人の観察をしたり、晩飯は何を食うかを考えたりするので、全然講師の言葉が頭に入らなくなってきます。

たぶん落語も、寄席に行って聴くのは辛いんじゃなかろうか。

この講座は午前10時スタートで、昼休みの1時間を挟んで午後7時くらいまでぶっ通しでした。講義と講義の間の休憩もなし。トイレ休憩もないので、参加者の中にはシッコを漏らした人がいたのではないかと心配です。

 

 

こんなん、私が耐えられるはずがない。拷問ですよ。始まってすぐに自供しそうになりました。聴きたいテーマもあったのですが、2日目なんて最初から行きませんでした。原稿の締め切りだったせいですけど。

 

 

勉強は一人でやるもの

 

vivanon_sentenceライブハウスのように自由に移動ができる場所はいいのですが、椅子の上でジッとしていることが苦痛なので、あの日も、いつでも外に出られるように、後ろの入口近くで立ってました。そうするとそんなにイライラしないのですが、気を利かせて椅子を持ってきてくれるスタッフがいて、そうすると使わないと申しわけなくて腰掛けます。ジッとしていられなくなって、すぐに三四郎池に行ってました。私に椅子は逆効果。

それでも小学校の時は成績がよかったので、窓の外を見ていてもそんなに叱られることはなかったですが、だんだん成績が落ちてきて、高校は偏差値50ちょっとくらいの学校だったのに劣等生で、卒業も危ぶまれておりました。寝てるか、外を見てるか、弁当食っているか、キンタマの絵を描いているかでしたから。

「授業では頭に入らない。勉強は一人でやるもの」とはっきりわかっていたので、浪人しても予備校に行く気はなく、親にそう言ったら、「学校は行った方がいい。自動車学校に行ったらどうか」というので、浪人中は自動車学校に通ってました。親子ともどもどうかしていると思います。

私は最初から無理だとして、他の人たちも、さすがにあのタイムスケジュールは無理があるのではないかと思って、終わったあと、「月に1回ひとつひとつのテーマをやっていく方がよかったのではないか」と主催に意見しておきました。

参加費が高いので、参加したくてもできなかった人たちも私の周りにはいますから、小分けして参加費を安くした方がいいかと思います。この企画は「すでにわかっている人は来なくていい。わかっていない人に来て欲しい」というものだったため、私の周りの人たちは来なくていいですけど。とくに私が話したことはすべて「ビバノン」を読んどきゃわかります。

でも、参加者に聞いたら、この方法の方がいいという人もいました。

 

 

next_vivanon

(残り 871文字/全文: 2932文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ