松沢呉一のビバノン・ライフ

クラブホステスは語る—男は年齢ではない。でも、人による 下-[ビバノン循環湯 280] (松沢呉一) -3,295文字-

男は年齢ではない。でも、人による 上」の続きです。

 

 

 

うんと年上が好きな女たち

 

vivanon_sentence風俗嬢たちでも、「若い人より年輩の人がいい」というのは多い。遊び慣れているので扱いやすいとか、金をもっているから常連になりやすいとか、ストーカーになったり恋愛感情を持ち込むことがあまりないとか、あくまで客としていいという意味でもあるのだが、それを離れても「年上の人がいい」というのはいるものだ。

しかし、二十歳そこそこの小娘らが言う「年上」というのは二十代後半から三十代だったりもして、それではオレはダメじゃん。

今も遊んでくれている娘っ子らは「松沢さんは四十代と思わせないから大丈夫」と言ってくれたりもするわけだが、そのうち年相応に四十代と思われるようになったらダメってことか。

この間、ダンサーをやっている娘さんと会ったんだが、彼女はつい最近まで五十八歳の男とつきあっていたそうで、六十代とつきあったこともあり、今もうんと年上の男が好きなのだという。

ああ、よかった。彼女が私とつきあってくれるのかどうかとは別問題ではあるが、可能性はあるってことだ。あと十五年くらいは大丈夫かもしれない。

Sergey Chekhonin「Female dancer in cubist costume」

 

 

ナンパしまくりの六十代

 

vivanon_sentenceもっと安心する話も聞いた。

銀座でクラブホステスをやっていたのが、こんな話を教えてくれた。

「私がいたクラブの社長は六十代に入っているのに、すごくモテるんですよ。若い女の子が好きだから、いつも十八歳とか十九歳とかの若い女の子とつき合っている」

「店の女の子に次々手をつけて」

「いやいや、そんなことは絶対にしないです。十代の女の子がいるような店じゃないし、いくらでも彼女がいるから、店の子に手を出す必要なんてないんですよ」

「彼女がいるのは、金をもっているからだろ」

「それもあるかもしれないけど、私が見ても、カッコいいんです。息子は三十代なんだけど、息子と一緒に飲みに行っても、絶対にお父さんの方がモテる。息子はデブでカッコ悪いから、私だって、お父さんの方がいい」

「じゃ、自分の店の子には手をつけず、他の店に飲みに行って、そこでくどいているんだ」

「いや、渋谷のセンター街でナンパしてる(笑)。二、三回セックスすると飽きるので、ナンパしまくり」

 

 

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