松沢呉一のビバノン・ライフ

暴力・ギャンブル・シャブ…-性風俗は結婚からの避難所である 下-[ビバノン循環湯 299] (松沢呉一) -3,075文字-

暴力夫からの脱出-性風俗は結婚からの避難所である 上」の続きです。

 

 

 

離婚の理由は暴力と浮気と金

 

vivanon_sentenceもちろん、離婚の理由は暴力だけではない。はっきりとした数字があるわけではないが、私の印象では、バツイチ風俗嬢の離婚原因の筆頭は「暴力」と「浮気」と「金」だろう。

夫の浮気で離婚したという話もよく聞く。埼玉で会ったバツイチ風俗嬢は、子どもがまだ1歳。妊娠中に浮気が発覚して、子どもを産んですぐに離婚したそうである。夫に原因があるため、金をとれるのに、意地になってしまい、「金なんていらない」と啖呵を切ったため、すぐに困窮して風俗入り。

彼女とのプレイはとても楽しかったので、この場合は、浮気性の夫に感謝すべきなのだろう。

ちなみに女側の浮気で離婚にいたったケースも時々聞く。どっちが悪くても、そのあとの生活は性風俗で。

離婚の原因としての「金」は、いくつかのパターンがある。「ギャンブルに狂って家に金を入れない」「収入が少ない」「働かない」といったものだ。

暴力や酒癖もそうだが、ギャンブルもなかなかやめられないものらしいですな。私も逃避としてのパチンコから抜けられなくなった時期があるので、少しは気持ちがわかる。私の場合はどっぷりハマったあとはすっきりやめるが、あの状態がずっと続いてしまう人たちがいるってことだ。

夫がパチンコ狂いで、仕事のあとも休みの日もずっとパチンコ。パチンコに使った金の残りで生活しなければならず、風俗嬢になった奥さんがいた。離婚には至ってなかったが、時間の問題かもしれない。金の問題もあるが、人間として軽蔑してしまうのはとめられまい。

彼女との出会いもパチンコに感謝すべきだろう。

「収入が少ない」「働かない」というのもよくいて、もう引退してしまったが、私がよく遊びに行っていたバツイチ風俗嬢もこれだった。夫は職人で、社員にはなってなかったため、声がかかると出かけていくのだが、気分が乗らないと仕事を受けない。職人気質と言えなくはないが、その実態は怠け者で、週に2日程度働いては、あとは家で酒を飲んでいる。

 

 

ミュージシャンがミュージシャンでなくなった時

 

vivanon_sentenceミュージシャンの夫を持つ人妻に取材したこともある。彼女は離婚を決意していて、その資金作りで風俗入り。

夫はギタリスト。そのメンバー名までは知らないが、私もバンド名は知っている。私は興味がないけれど、通好みのバンドで、アルバムを何枚か残している。

 

 

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