現実を見ることもなく異常と言い出す異常—性差別とされるものの中身 6-(松沢呉一) -2,869文字-
「なぜ女性用コンドームは販売されなくなったのか—性差別とされるものの中身 5」の続きです。
需要があれば供給される
「需要で供給が決定するのだから、供給されないことは需要を高めることで解消すればいい」と当たり前のことを言ってきたわけですが、この当たり前のことがどういわけかわからん人たちがいます。
AVについて、「BiSHに続け!!—田中美津インタビューの疑問点 9」で同様のことを指摘しました。すでに女性向けAVは存在しているし、それを紹介するサイトも存在しています。だったら、それを推奨すればいいのに、どうしていつまでも「女性向けのAVを」というお題目を唱えて、その現実を無視するのでしょう。
これは「女向けの性風俗があればいいのに」とボヤき続ける女たちとリンクをしています。事実を踏まえず、調べようともしない。
その結果、奮闘している女たちを無視する。すでにそれらを楽しんでいる女たちを無視する。
個別の作品を推奨したり、サイトを推奨したり、AVを楽しんでいる女たちの意見もきかず、こういうウソ臭いお題目を唱えて、「先進的な私」を演出するのはやめた方がいい。どう需要を拡大するのかを考えましょう。
レディコミだったり、BLだったり、女性向けエロ出版も多数出ていることを無視するのもやめましょう。それらを推奨し、情報がスムーズに流れるようにすべきなのです。
事実を踏まえて発言を
ちょっと前のことですが、こんな投稿をしている知人がいました。
なんかよく知らんけど、Twitterでコンビニが「エロ本」を扱っていることをとやかく言っている人たちがいるらしく、このツイートは、需要と供給の関係も理解せずに、「エロ本の代わりにおむつを置け」なんてくだらん意見に半ば同調したもののようです。
これに対して、すぐさま批判しておきましたが、回答はありませんでした。
著作権法的には名前を出すべきですけど、返事をして来なかったことから、触れられたくないのだろうと思って、名前を伏せておきました。希望があれば出します。
コンビニに置かれている雑誌が通ってきているフィルター
コンビニで売っているエロ本が「全部へテロ男性向け」なんて事実はない。ゲイ雑誌、レズビアン雑誌はどこのコンビニにもないでしょうが、ヘテロ女性向けはあります。コミックですけど。ゲイ雑誌はなくても、BLもののコミックや小説くらいはあるんじゃないですかね。
「ちょっとエッチ」という程度のものであって、ハードなエロはないでしょうが、それは男向けも同じ。なぜかというと、コンビニは成人誌を扱わないからです。
たぶんそのことさえわからないまま、この投稿を書いているんでしょうから、改めて説明しておきますか。以前から言っているように、性の領域についてはとっくに「ポスト真実」がまかり通っていて、何もわかっていない人が平然と間違った認識をもとに「エロ本」のことを語っている例があまりに多い。
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