松沢呉一のビバノン・ライフ

バイアグラが効かないケース—人は死ぬまでエロで苦悩する 下-[ビバノン循環湯 306] (松沢呉一)-3,872文字-

男の性欲は下降・女の性欲は上昇—人は死ぬまでエロで苦悩する 上」の続きです。

 

 

私の苦悩

 

vivanon_sentenceこの私もまたほとんど常に苦悩はある。

日本テレビ系列がやっている「24時間テレビ」を観ると、単純バカの私は、すぐに感化されて、「オレも頑張ろう」って思ってしまう。

「24時間テレビ」を観た数日後、一時間半もの間、ずっとクンニしていた。

最近、チンコのタチが悪くて、この時も小娘とラブホに入ったはいいが、全然チンコが反応しない。よく知っている相手だったら、クンニだけして、「はい、今日はここまで。続きはまた来週」と終わらせることができ、私としてはそれでもかまわないわけだが、その時の彼女とセックスをするのがこれが初めて。しかも、相手はチンコを入れて欲しくてウズウズしている。このまま終わらせるわけにはいかない。

相手が疲れてしまったり、ダレてしまえば、自然と終わることもできるのだが、高度なクンニ技術をもつ私は、彼女の体が刺激慣れしないように、さまざまなクンニ技を繰り出していて、彼女は彼女で大変感じやすくて、その間に十回以上イッていたと思う。

そのため。やめるタイミングもなく、「どうしたもんか」と思いつつ、「世界の貧しい子どもたちのために負けてなるか」と自分を奮起させ、一時間半でやっと勃起して、無事セックスすることができた。これも「24時間テレビ」のおかげだ。

困ったもんで、こういうことがホントに増えている。この時の相手が何の魅力もないんだったらわかるのだが、皆さんに見せてあげたいくらいの、すんごいかわいいコなんである。

※「Seated Figure

 

 

チンコとマンコの舌が肥える

 

vivanon_sentenceその数日後、三十代と遊んだ。この時はチンコがギンギン。彼女とは何度も会っているのだが、体の相性が本当によくて、すぐにチンコが大きくなる。

歳をとってきてその傾向が強まっているように思うのだが、チンコの立つ相手と立たない相手とがいる。もちろんその時の体調や状況にもよるのだが、立つ相手に対してはたいてい立つし、立たない相手にはたいてい立たない。

中には、最初の数回はいいのだが、やがては立ちにくくなる相手もいる。四回やっても五回やっても立ち続けるのは、私の場合は二十代後半以上に多くて、二十歳前後よりも、もっと上の方が我がチンコは好きみたい。

この場合、頭で考える「好きなタイプ」とは必ずしもきれいに一致しておらず、この相性はチンコが決定している。したがって、いざやるまでははっきりとはわからない。ダウジングみたいなもんで、こっちの意志と関係がなく、チンコが勝手に動くんである。

もともとチンコというヤツは、持ち主の意志とは関係がなく動きがちだが、歳をとってチンコが立ちにくくなるとともに、チンコ君の選択は厳しくなっているような感触がある。「おいおい、そこ行くか」ということもあって、一度ジックリ話し合いの場を持ちたい。

四十代になろうと五十代になろうと、誰に対しても勃起する人もいようが、私以外の中年男性でも、チンコが反応する相手の範囲が狭くなってくる傾向があるようだ。

こうなると、いろんな相手とバンバンやりまくるのではなくて、相性のいい相手と集中的にやった方がいい。こういう相手を探すためには、いろんな相手としてみる必要があって、三十代、四十代で、「最近タチが悪いんだよ」という人は、相手を探す努力を怠っているのかもしれない。しかし、そういう努力をするには歳をとりすぎである。

ここがまた腹立たしい。ダチの小娘に「松沢さん、人生のピークだね」と言われているように、若い頃とは比較にならないくらい中年になってからモテる。なのに、その中でチンコが立つのは一握り。こんなことなら、若い頃に、彼女らと知り合いたかった(私が二十歳の頃、彼女らはまだ幼稚園児や小学生だったり、まだ生まれてなかったりするわけだが)。

Guillaume-Benjamin-Amand Duchenne de Boulogne「Figure 19: Suffering」

 

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