最終日は古山園旅社-萬華再訪 6(最終回)-(松沢呉一)-3,257文字-
「窓の外では龍が舞い、フロントでは街娼が舞う-萬華再訪 5」の続きです。これでおしまいです。本シリーズでは、「萬華に住む」を前提に、食い物や交通手段、宿について検討していて、萬華の再開発や街娼の現状などについてはほとんど触れてません。これについてはまた別項でまとめる予定。
ここにはいないだろうと思った一角も街娼エリア
五泊目。前夜のホテルをさらに北上したところに狭くて小さな市場があります。これは観光客用ではなく、地元の人向けに、野菜や魚を売っています。
前々日にここは見つけていたのですが、萬華の中心部からはずいぶん離れていて、性風俗店らしきものはなく、ここは街娼利用もないでしょう。観光客にとっても駅から遠いし、市場の中だしで、利用しないのではないか。だったら誰が使うのか。商用利用でしょうか。
それが気になっていたのですが、前の日の深夜、ここを歩いていたら、この周辺にも街娼がけっこういました。しかも萬華としては若いのが目立つ。
となると、あのホテルも、街娼仕様である可能性がありそうです。それを確かめるべく、行ってみたら、フロントのばあちゃんにいきなり「だめ」と断られました。取り付く島なし。
満室だった可能性もありますが、あの態度からすると、たぶん街娼専用ではなかろうか。
古山園旅社へ
他にも候補はあったのですが、最終日は、結局、古山園旅社に泊まることにしました。ここは古い古いホテルです。
カラOK(中国語でカラオケは「卡拉OK」)の店があって、そのお姉さん方がチラホラいるアーケードの商店街があり、その途中に看板が出ています(左の写真)。その下の暗くて狭い路地を入ります。人一人通るのがやっと。公衆便所の横を抜けると、そこに古山園があります。
この写真は路地の反対側から撮ったもので、こっち側からも出入りできるので、何も路地を通らなくてもいいのですが、私は路地を通るのが好きです。
右側の写真に剥げた絵が見えますが、上の看板にある映画のポスター調のイラストです。ここはたびたび映画のロケでも使用されています。
COSWASのメンバーによると、日本統治時代の建物とのことで、フロントのおばちゃんに「いつの建物なんですか」と聞いたら、「知らない」と言ってました。興味ないみたい。
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