作戦は完全に失敗—公開本数1000本達成 [3]- (松沢呉一) -3,972文字-
「タイムリーなものより普遍性のあるものへ—公開本数1000本達成 [2]」の続きです。
その手前までは完璧、その先で完敗
本数が増えるにしたがって、基礎PVが増えて安定することまでは計算通りになってます。
今までのデータから、「購読者ゲットのためのPV数」というものがありまして、そのPVに達すると購読者が1人増えます。1日の基礎PVをこの数値までもっていけば、何もしなくても購読者が1日1人増えていく計算です。
そこにはまだ届かないですが、2日分を合わせるとほぼその数字になりますから、計算上は月に購読者が二桁増えるはずなのです。
ところが、そうなりませんでした。ここが完全に計算ミスでした。
購読者数にはパターンがあって、私に限らず、誰でもがこのパターンで推移します。まず始めて1ヶ月から2ヶ月は、もともとの読者たちが登録するため、ドーンと数字が伸びます。以降も順調に伸び続け、「このまま増えていけば2年後にはこれだけで食えるようになるな」と胸算用をはじきます。
しかし、毎月二桁で増加するのは半年くらいで、以降は微増になっていき、一年程度で飽和して、あとは横ばい。
配信ペースが早く、PVが多い記事を連発していると、この飽和が早く来る傾向はありそうですが、どういう方法をとるにしても、どのみちこの時期がやってきます。
※「Bronze toes and instep of an over-lifesized right foot」
購読者は2年間増えず
この飽和状態が自分の力量だと受け入れて、あとはその飽和状態を維持するのが妥当な判断であり、私も「あとはこの状態で、自分の好きなことを書いていればいい」と割り切っていたのですが、好きなことだけを書いていると、今度は購読者が減るのです。
始めて一年ちょっとした時にこれが起きました。初めて購読者がはっきりと減ったのです。「『吉原炎上』間違い探し」が原因だと思われます。あれ、長かったですから。
ここから試行錯誤が続き、「歴史ものは受けない」「長いものは受けない」と悟り、「そういうものを出す時は間に別のものを入れていく」という工夫をするようになっていきます。こうして更新本数も増えていきます。それまでは飛び飛びだったのが、土日を除く連日更新になり、やがて土日も更新。
この効果があったのか、減少し続けるということはなかったのですが、なかなか増えない。購読者のピークは2015年の秋で、そこから少し減って、あとはちょっと増えてはまた減って、ちょっと増えてはまた減ってを繰り返していて、今なおピークには一度も届いてません。つまり2年間は若干減った状態でほぼ横ばい。
毎月増える分があるのですが、毎月減る分があります。増える数が減る数を超えられない。
この2年間で800本以上更新しているのですが、これだけ出してもまったく増えない。10本に1人増えても80人増えるはずなのに。
PVも数倍になっているのに増えない。
なぜだ?
※「Faience statuette fragment of Venus」
(残り 2696文字/全文: 3985文字)
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