売春する女学生たち—女言葉の一世紀 41-(松沢呉一) -2,967文字-
「地方からの上京組はヤリマンになりやすい—女言葉の一世紀 40」の続きです。
超エリート層のお嬢様たちが売春するわ、月極愛人をやるわ
今だって援交女子高生、女子中学生がいるのですから、女学生が売春していたって、愛人をやっていたって、今と変わらないとも言えるのですが、絶対数が違います。
小鳥組は昭和に入ってからですが、昭和初期でもまだ女学校に進学する女子は1割強です。この頃、進学率は急速に上がっていて、大正前半だとわずか数パーセントの超エリート層です。今だったら雙葉、フェリス、白百合に行くような層だけが女学校に行けたと言っていいでしょう。
今もあるように金儲けのためと見なされている女学校もあって、必ずしも成績優秀であることを意味はしないのですけど、そういう学校こそ金が必要であり、極々一部のお嬢様が行けたことは間違いない。
一方で女学校に行かない、行けないような層では、農村部でも都市部でも遊びまくっていたのもいたわけですが、処女で嫁入りするような層の上澄みが女学校に進学していたはずなのに、不良層が多すぎる。もちろん、一部の例が大きくクローズアップされていたこともまた間違いないとして、今と変わらないくらい不良がいるっておかしいでしょ。
でも、いたのです。これが現実です。
では、校名入りで不良女学生の行動を見てみましょう。
※図版はうちにあったもので、絵葉書ではなく、コロタイプの写真です。販売されていたものだと思います。したがって、あくまで女学生風。
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