松沢呉一のビバノン・ライフ

初めて生で見た陰毛[3]-毛から世界を見る 44- (松沢呉一) -2,881文字-

初めて生で見た陰毛[2]-毛から世界を見る 43」の続きです。

 

 

 

日常視点のいい銭湯

 

vivanon_sentence観光視点」に続いて「日常視点」の説明をしておきます。面白味ではなく、日々入る風呂として充実しているか否かの視点です。何度入っても「いい風呂」ってことです。

練馬区桜台の久松湯、豊島区巣鴨のニュー椿、板橋区西台の功泉湯、同じく板橋区若木の第一金乗湯、新宿区新大久保の万年湯、中野区中野新橋の清春湯、杉並区成田東の吉の湯、世田谷区下高井戸の月見湯温泉、同じく世田谷区祖師谷のそしがや温泉21、目黒区目黒の光明泉、同じく目黒区東山の文化浴泉、文京区千駄木のふくの湯、台東区根岸の萩の湯、墨田区石原の御谷湯、足立区関原の岡田湯、荒川区西尾久の梅の湯、同じく荒川区西日暮里の斉藤湯、品川区西品川の宮城湯、同じく品川区戸越の戸越銀座温泉といったところが日常視点で高得点です。

ここに出したのは、思いついたほんの一部であって、各区に少なくともひとつやふたつ、みっつやよっつはあるって感じ。ほとんど銭湯が残っていない千代田区は別にして。

大田区は銭湯の数で足立区と争っていて、なおかつ天然温泉が多い。大田区の銭湯はまだそんなに行ってないので、ここには挙げてないですが、日常視点で言って、平均的なクオリティは高いかと思います。また、都下にもいいところはいっぱいあります。駅からバスで行かなきゃならないところだったりしますが。

※写真は板橋区の第一金乗湯。駅から歩く上に、わかりにくいところにありますが、ここはよかったなあ。また行きたい。

 

 

リニューアル銭湯強し

 

vivanon_sentence「日常視点」と「観光視点」のズレは、さまざまなジャンルで起きることで、ある町のことを語るのに、観光客は観光地を語り、地元の人は「そんな場所、小学生の遠足以来行ったことない」みたいなズレが生じます。観光客が語る「おいしい店」は、その地の色が濃く出た店であり、地元の人は「おいしくない」と評したりします。

地元の人たちが語る地元の飲食店の評価は細かく分かれますけど、銭湯の日常視点はだいたい同じところに行き着く。建物がどうしようが、ペンキ絵がどうしようが、それだけで繰り返し銭湯に行かないですけど、清潔でいくつもの浴槽があって、設備が充実しているところだったら繰り返し行きます。こっちが日常視点です。

違うのも混じってますが、上に出したのはここ十年以内にリニューアルした銭湯です。きれいで、設備が充実している。新しくてもムチャクチャ狭い銭湯というのもあるのですが、建物を新しくした場合は、土地はそのままでも、男湯と女湯の階を分けることで、脱衣場と洗い場が広くなったりします。

 

 

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