松沢呉一のビバノン・ライフ

傾聴ビジネスが失敗した理由—ホワイトハンズの何が問題か[4]-(松沢呉一) -3,229文字-

ホワイトハンズは合資会社百識のリメイク—ホワイトハンズの何が問題か[3]」の続きです。

 

 

 

坂爪真吾が本書で社名を出していない合資会社百識

 

vivanon_sentence合資会社百識を検索すると、今も存在しているようです。

そこで、法務局に行って以下をとってきました。合資会社百識の設立は平成17年(2005)3月9日ですから本の記述と合致しています。『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』にあった「2005年4月」という記述が正しいのであれば、法人登記の翌月から事業開始ということでしょう。

 

 

 

公的に公開されているものですから、出しても問題はないでしょう。坂爪真吾以外の社員は1名のみ。兄から頼まれて名前を貸しただけかもしれないので、当初は名前を伏せておこうと思っていて、Facebookでも「親族」とだけ書いていたのですが、初期にスタッフとして関わっていたのを見つけました。それなりには事業に関与していたのでしょう。

この下に解散の届けが出ていることが記載されていますが、この証明書をとった11月の段階で会社は存続していて、この住所に本店が存在していることになってます。この件はのちほど検討します。

この目的(定款)の部分を見ても、【同大卒業後、性に関するサービスを、「関わった人全員が、もれなく幸せになる」ものにするために起業】なんて要素はどこにも見られませんし、今のところ、百識がそのようなサービスをやっていた形跡を見つけていません。

坂爪真吾お得意の後付けで「百識はホワイトハンズのための実験だった」と言い張るかもしれないですが、「学生時代から一貫して性風俗に興味を抱き、尋常ならざる情熱を傾けてきた結果がホワイトハンズだ」という物語のための辻褄合わせだろうと思います。

 

 

当然失敗した「傾聴ビジネス」

 

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セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』の本文にも百識が性に関するサービスを提供していたなんてことは書いていません。そんな事実はないからです。

 

 

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