松沢呉一のビバノン・ライフ

百識の問題はホワイトハンズの問題—ホワイトハンズの何が問題か[13](最終回)-(松沢呉一) -2,374文字-

坂爪真吾のやり口—ホワイトハンズの何が問題か[12]」の続きです。

 

 

 

 

2009年に傾聴大学はホワイトハンズに移行

 

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傾聴大学の運営はサイトで見る限り、2009年5月にホワイトハンズに切り替わっています。

 

継続している合資会社百識の業務をホワイトハンズが引き継いだってことなのでしょうけど、であるならばこの時点で百識の清算は終了しているわけで、なおも解散届けを出した百識を放置した意味がわかりません。隠したいのであればとっとと手続きをすればいいものを。

今も検索すれば坂爪真吾と合資会社百識とは紐づけられてしまい、私がここにこだわったきっかけのひとつは会社が現存しているからです。「どういうことなんだろう」と思ってこの住所を尋ね、法務局にも行ったのであります。

法務局の職員が言うように、たんにだらしがない可能性もありますし、なんらかの目的がなおあるのかもしれないし。

 

 

『完全傾聴バイブル』は許可をとっているのかどうか

 

vivanon_sentence傾聴ビジネスはホワイトハンズをスタートさせて以降も継続していて、批判をブロックしながら、坂爪真吾は『完全傾聴バイブル』なんて本を売りつけようとしてました。

 

解散届けを出して以降、百識では新たな事業に着手することはできませんから、これはホワイトハンズの事業のはずです。ホワイトハンズになってもこんなことを続けていたのです。

経験値が低く、批判に向き合うこともできない坂爪真吾が傾聴について書いた140ベージの本が12,500円。部数によりけり、体裁によりけりですが、300部として印刷費は一冊当たり500円くらいじゃないでしょうか。多数売れることは期待できないですから、安い定価で売って利益を出すことは難しい。高い定価にして20冊も売れればいいってことでしょう。

本をいくらで売ろうと勝手、買うのも勝手ではありますけど、これは坂爪真吾個人の能力だけでできた本ではありません。「豊富な傾聴ケーススタディ」とやらが収録されています。

早くから傾聴サービスで得た客からの話をまとめて本にしようとしていたわけですが、それに呼応する出版社はなく、このような形で、金をとって得た情報を二次利用したわけです。

個人が特定されず、著作権が発生しないような内容であれば一般に許可は不要ですけど、そういう場合でも百識の規約では改めて許可が必要です。

当然、許可はとっているのでしょうけど、あの規約は百識のものであり、これはホワイトハンズの事業なので、規約は無効ということで無断でやった可能性もあるのではなかろうか。同じ坂爪真吾という人物がやっていることですけどね。

仮に規約を無視して、無許可、無償で出したとしても、掲載された本人がどうとも思っていないなら、非難されるべきではないとは思いますが、そもそも掲載された人たちはそのことを知っているのかどうか。こんな本を買わない利用者もいたでしょうし。ここも利用者の方々の証言を待つしかない。

 

 

風テラスは信用できるのか?

 

vivanon_sentence2013年までこの広告は出ています。百識でやっていたことは若気のいたりであり、心を入れ替えてホワイトハンズをスタートしたのではないのです。そのまま同じ人間が同じ意識で始めたのがホワイトハンズです。ホワイトハンズは百識のリメイクであると書いた通りです。

おそらく百識の問題をいくら指摘しようとも、「過去の話なんだから」で済ませようとする人たちもいるでしょうが、百識はホワイトハンズに引き継がれています。

 

 

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