松沢呉一のビバノン・ライフ

桜蔭高校とフェリス女学院高校に見る女子大の凋落—私立の女子大は消滅へ(中)-(松沢呉一)-2,724文字-

女子大の人気低落—女子大は消滅へ(1)」の続きです。

 

 

 

桜蔭高校卒業生の進路

 

vivanon_sentence以下は東大合格者数の女子高トップである桜蔭高校の進路です。

 

 

 

 

 

こういう数字を見ると、改めて桜蔭高校のすごさを実感します。

平成29年度で、もっとも多いのは早稲田大学の148名、2位が慶応大学の95名、3位が東京理科大の72名、4位が明治大学の67名、5位が東大の63名、6位が中央大学の33位です。

これは合格した大学の数字です。この表には、浪人生の合格者も含まれていて、東大の現役合格者は53名です。うち半数以上が理系。桜蔭高校は理系に強いのです。

私大は国公立の滑り止めが多数含まれていそうですし、一人で同じ大学の複数の学部に合格した数字も入っているでしょう。とすると、実際に進学した大学では東大が上位3位以内に入ってきそうです。

東京理科大が3位につけていることも、桜蔭らしさをよく見せています。東工大もいますし、医大がズラリと並んでます。このことから、他の大学でも理系の学部に合格したのが多いと推察できます。

 

 

女子大進学者はなぜ少ないのか

 

vivanon_sentenceざっと見ればわかるように、女子大が少ない。

お茶大がもっとも多くて9名。それまでは4名、4名、8名。お茶大は募集人数452名と少ないので(平成29年度)、こんなもんかもしれないですが、私立の女子大は重複があるだろうに、各一桁です。津田塾大、東京女子大、日本女子大、東京女子医大ですべて。「その他私大」の中にも入っているでしょうが、数字に出ている範囲では計30名です。女子医を入れた女子大の総計で上智大と一緒。

お茶大はそのまま進学したのが多そうですが、私大の女子大に進学したのはこの三分の一以下ではなかろうか。

平成29年度の卒業生は234名。うち女子大に進むのは数パーセントです。女子大に進学するのは女子高出身者が多いはずですが、女子高でもこの程度。偏差値的に桜蔭高校は特殊とは言え、必然なのだと思います。

理系に強いってことは女子大の選択肢が少ないってことです。学部がわからないのが残念ですが、ここに出ている女子大はすべて理系の学部や学科があります。

昨今、理系に力を入れている女子高は桜蔭高校だけではなくて、その層にとっては候補になる女子大が限られます。理系と言っても数学をやりたいのか化学をやりたいのか工学をやりたいのかによって大学の選択は違ってくるわけで、女子大では拾い切れない専攻もあります。

 

 

女子の社会科学指向

 

vivanon_sentenceもうひとつ見て取れるのは文学部離れです。中央大が多いのは法学部狙いじゃなかろうか。つまりは司法試験狙い。

以前見たように、法学、政治学、経済学の社会科学系を専攻する女子率は目覚ましく増えていて、その層は女子大に行かない。

 

 

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