親バレしたら姉も告白—エロの仕事がバレた時(2)-[ビバノン循環湯 373] (松沢呉一)-3,254文字-
「落とし物、忘れ物に注意—エロの仕事がバレた時(1)」の続きです。
妹の相談
馴染みの風俗嬢にこんな話を聞いた。
「この間、妹に相談されたんですよ。“友だちが援助交際をしている。やめさせたいんだけど、どう言ったらいいと思う?”って」
彼女は19歳で、妹は高校生。おねえちゃんが人気風俗嬢だとはまったく気づいていない。彼女は相当にエロいのだが、純情そうに見えるルックスと話し方だし、生活ぶりはいたって真面目で、高いバッグや服を買う趣味はないので、妹はまず気づかないかと思う。
そんなことを聞かれて、彼女はドギマギしながらこう答えたそうだ。
「どこの誰かもわからない人とホテルに行くのは危険だよね。守ってくれる人もいないし。風俗店で働いた方がいいって教えてあげなさい」
妹はすかさず突っ込む。
「おねえちゃん、風俗は18歳にならないと働けないんだよ」
「ああ、そうなんだ」
動揺していたために口走ったことなのだが、妹はすっかり「世間知らずのお姉ちゃんに相談するだけ無駄だった」と思い込んだようである。
※Jeremiah Gurney「Two Girls in Identical Dresses」
キャバ嬢に憧れる妹
私はこう聞いた?
「妹は似てる?」
「あんまり似てない。私よりずっと真面目っぽく見える」
純情そうでいながら、裸になるとエロくなるこのコに似ていたら、風俗嬢として人気が出ると思ったんだがな。
「妹は見た目も考え方も真面目なんだよ。友だちが援交していても私だったらほっとく」
「つうか、君もやりそうだよな」
「ああ、やったことなかったけど、機会があったらしていたかも。でも、妹はちょっと変わっていて、そんな見た目で、そんな性格なのに、水商売に憧れている。派手な格好をして、髪の毛をカールして、お金をいっぱい儲けたいから、高校を出たらキャバで働きたいって言っている。でも、性格的に無理だと思うんだ。要領の悪いの。心にもないことを言って男の人をその気にさせるなんて絶対無理だと思う」
「ギャルではないんだ」
「全然。髪の毛を染めたこともないし、化粧もしたことがないんじゃないかな。格好も地味で、夜遊びもしない。彼氏がいる気配もないので、処女じゃないかな」
「だったら、風俗の方が向いてない?」
「私もそう思う。ちゃんと仕事をしそう」
「妹が風俗嬢になっても抵抗ないんだ」
「複雑だけど、私がやってるからなあ。18歳になったら勧めてみるかな」
友だちの援交をやめさせたいキャバ嬢志願の妹に相談された風俗嬢の話をチンコを出したまま聞いている私であった。
※Paul Gauguin「Two Tahitian Women」
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