鼻をかむ音の男女差・屁の音の男女差-[ビバノン循環湯 381] (松沢呉一) -2,285文字-
音楽雑誌「ロック画報」の連載。2005年くらいか。音楽雑誌ということで、少しは音楽に関することを入れ込んでました。この回も音楽雑誌らしいと言えなくもない。
電車の中で鼻をかむ女
この間から気になっている音に関する疑問がある。
電車に乗っていたら、雷にも似た、鼻をかむデケえ音が聞こえてきた。どこのオヤジだと思って音源を見たら、二十歳くらいの若い娘さんである。一応は人目を気にしているみたいで、ドアのところに立って、外に向けて鼻をかんでいる。
この時に、若い娘が思いきり鼻をかむ音とオヤジが思い切り鼻をかむ音とは、どうやら違いがないのだと知った。
鼻をかむ音は、肺活量、腹筋、鼻腔の大きさ(あるいは口腔の大きさまで関係するのかな)に決定される部分もあるのだろうが、それ以上にその時の鼻汁の量と質に左右されるものだと思う。自分自身を考えても、鼻汁の量と質によって鼻をかむ音は違う。
今まであんまり気にしたことがなく、また、その音を注意深く聞いたことがないため、このことを確認したことがなかっただけで、たぶん鼻汁による違いを越えるほどの性差はないのだと思われる。
私がその音を聞いて、無条件に「オヤジだ」と判断したのは、「電車の中でデカい音を出して鼻をかむのはオヤジだ」という先入観によるものだったかもしれず、厳密にその音を検討すれば性差を聞き取れる可能性もある。今後の研究が待たれるところだ。
※はなたれ薬局は福岡市にあります。
では、屁は?
ここで思いは屁に至った。屁のニオイは腸内細菌の構成による違いがあって、子どもと青年層と中年層と老年層ではそれぞれに違う。
30代になってから、ガキの頃によく嗅いだ父親の屁のニオイと類似したニオイの屁が出るようになった。親子で食生活が似るところがあるため、腸内細菌の構成も似るということもあるのだろうが、それ以上に、年齢によって腸内細菌の構成が変化して、同じくらいの年齢になると屁のニオイが類似してくるって理由が大きいらしい。
食生活の違いによる影響はあるにしても、おそらくニオイには男女差がないはず。
(残り 1467文字/全文: 2379文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ