ハッテンはできなくても銭湯には夢がある—ハッテン銭湯(上)-(松沢呉一) -2,478文字-
ハッテン銭湯の現在
先日初めて会った韓国人の研究者がいます。彼がまたいい男なのさ。見た目もいいし、頭もいい。性格もよさそう。
彼は男性同性愛者の行動が研究テーマです。話しているうちに、「ビバノン」に書いたハッテン銭湯の話を読んだことがわかって、互いにビックリ。
銭湯について書いたあの一連の話は、数は少ないですけど、ずっとアクセスが続いています。「毛から世界を見る」シリーズ自体、他のものに比してアクセスが持続しているのですが、ゲイネタが多いので、読んでいるのはゲイ率が高いかもしれない。
あの回にも書いたように、ハッテン銭湯は存続しにくくなってます。わからないようにやればいいのですが、ついついノンケに手を出してしまったり、しゃぶっているところを見られたりするのがいるのです。
クレームがつくと銭湯としても放置はできない。ゲイの客が来てくれる分、売り上げが伸びたとしても、一般客が敬遠するようになったら元も子もない。
そのため、「いかがわしい行為をしているのを発見したら110番通報します」と貼紙が出されたり、見回りが来たりします。たまに露天風呂に貼紙があります。「なるほど、ここだと隔離されているので、やりやすいわな」と気づいて、やる人が出てきたらどうするんだと思いました。
大阪には今も堂々とハッテンしている銭湯があるらしいですが、東京では露骨なハッテン銭湯はすでにひとつもないと思います。
※今回の写真は銭湯巡りの際に撮ったもので、ハッテン銭湯とは一切関係がありません。
ゲイにとっての銭湯は楽しみが多い
しかし、ゲイっぽい人は相当の率で見ます。同性愛者率は人口の3パーセントだの5パーセントだのと言われていますが、銭湯の平均的ゲイ率は10パーセントを超えると思います。
もちろん、地域によりけり、時間帯によりけり、銭湯によりけりなのですが、遅くまでやっている銭湯に行くと、半数あるいはそれ以上が「ゲイだろ」と思えることもあるため、平均すると10パーセントを超えることになります。狙い目は夜遅くです。
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