専攻による男女偏在はなお克服できず—男女別学肯定論を検討する/第三部(2)-(松沢呉一)-2,942文字-
「早大西早稲田キャンパスへ—男女別学肯定論を検討する/第三部(1)」の続きです。
早大西早稲田キャンパスの女子率はあまりに低かった
早大理工キャンパスの中に入ると、広々としていて、今もきれいです。
しかし、女子がムチャクチャ少ない。ちゅうか、学生自体が少ない。4月に入って間もなかったものですから、まだ学校に復帰していない生徒が多かったのかも(写真が足りなくて、その後、もう一度行ってまして、その時は学生が溢れてました)。
女子生徒の数を確かめに行ったわけではないのですが、気になって廊下から教室を覗いてみました。20人くらいの生徒のうち、女子は2人のみ。1割です。
専攻によっても違うのでしょうけど、キャンパス全体を見渡しても、せいぜい2割といったところ。今時、こんな少ないなんてことがあるかなあ。
「女子は理数系に弱い」という考え方は偏見であり、もはや都市伝説みたいなものですから、たぶん女子は体が弱いため(偏見)、揃ってインフルエンザかクラミジアで寝込んでいるに違いありません(クラミジアで寝込むことはありません)。
早稲田大学理工学部の女子率は2割を切る
うちに帰ってから調べてみました。
理工全体で女子率は2割をちょっと切ります。そんなに少ないのか! 早大は都市伝説の中にまだいます。
早稲田大学でも女子学生が増えていると言われてはいますが、学部単位の差が大きくて、文学部、文化構想学部(今初めて知った学部で、文学部からの派生学部のよう)、国際教養学部(留学生や帰国子女のほか、英語をぴっちりやりたい生徒向け)は女子の方が多く、社学、法学、政経学部はなお女子率は3割前後。
それでも私の頃に比べればずいぶん増えてます。法学部や政経学部の女子率はこの半分以下だったと思います。しかし、大学によっては法学部の男女比が逆転する時代にまだこれかと驚きます。早稲田のむさ苦しいイメージがいまなお残っているために敬遠されるってこともあるんでしょう。
それでも、単純にこの数字からすると、あと20年くらいで、新規で政治家になろうとする女性率は3割くらいになることが期待できます。早稲田の政経学部と法学部出身の国会議員はそこそこ多いわけですから。しかし、このままでは3割にしかならない。
さらに理工系で顕著に女子が少ない。パソコン上で完結し得る数学系、小さい実験室で完結し得る化学系や薬学系と違って、工学系、建築系は今なお女子は弱そう。早稲田の理工は建築イメージが強いため、低い数字になっているのではなかろうか。
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