結論を言うとJG(女子学院)はメチャいい学校(笑)—鴎友学園出身者からのメール(5)(最終回)-(松沢呉一)-3,752文字-
「女子校出身者同士は仲良くなりやすい—鴎友学園出身者からのメール(4)」の続きです。
鴎友学園はいい学校
では、まとめです。
ユリカモメさんが書いていたことは女子校全般に通じる部分もありつつ、それ以上に鴎友学園特有だったり、「偏差値高い系」特有だったりしましょう。総合ポイントで言って、やっぱり鴎友学園はいい学校だと思います。
私立の別学校全体の問題点として、接する人たちの環境が近く、均質化していて、閉鎖的な学校ではそれが加速するってことがあります。鴎友学園でもその傾向がありそうです。
これについては辛酸なめ子著『女子校育ち』でも的確に指摘されていました。女子校では一人になるのが怖くて、著者自身がそうだったと書いています。トイレは誰かと行く。教室の移動も誰かと行く。誰と行くかをつねに考えている。
同質なムラでは孤立が怖い。嫌われるのが怖くて面と向かっては意見を言えない。裏でグチグチ言う。男もそういうのはいくらでもいますけど、ここに書かれているほど、孤立を怖がる男は少ないかと思います。共学でも女子の方が意見を言えないタイプは多いでしょうが、女子校だからと言って、そこはなかなか克服できないようです。
※校門の脇にあった花。サザンカだと思いますが、珍しい色合い
校則で縛るのは自主性を奪う
その閉鎖性、均質性は外に出た時にいくらかの軋みを生じます。
しかし、ユリカモメさんが書いているように、「時が経つにつれ薄まってもいく」ってもんです。だって、大学に入ってから彼女は一気に活動範囲が広がって、今や私とも交流があるんですよ。私と接点があるってことは辺境に行きついているってことです。シベリアの凍土やサハラの砂漠にまで来ているのに、世界が狭いわけがない。そんなところにずっと住んでいる私の方が世界の狭さを心配した方がいい。
かつ、彼女は自分の意見を言います。そんなに気にして話を聞いたことはないですが、たぶん「私」とすべきところでは「私主語」だと思います。
メールを読むとわかるように、彼女はど真ん中にいたのではなくて、はみ出してチーマーにならない程度にははぐれものです。もともと一人になるのが怖くなかったタイプでしょう。ユリカモメさんでも卒業まで居続けることができたわけですから、鴎友学園にもその程度の余地はある。
日本の私立校全体の問題として、あるいは公立を含めた日本の中高全体の問題として、校則が厳し過ぎる点は改善した方がよくて、ガチガチにルールで縛ると頭が壊れますし、規則を守ることがいいことになってしまって、自分の判断をしなくなります。学校の外に出てまで、卒業生が監視している学校はサイテーですよ。
自主性だの自立だと言いながら校則が厳しいのは矛盾でしょう。これをやっていると、ルールのない場所では一気に崩れるのです。自分の中に判断基準がないんですから。やることなくて、後輩たちの監視を生き甲斐にします。
しかし、鴎友学園は公立に比べると厳しいとは言え、私立女子校の中ではそんなに厳しい方ではないようです。染めるのはNGでも、髪型は自由。染めなければ刈り上げでもモヒカンでもいいのかも。
※この辺は木のフェンスが低く、校舎も見えます。
女子学院はもっといい学校
ユリカモメさんによると女子校の中では女子学院が抜きん出て自由度が高いそうです。校則もほとんどなく、私服登校OK。
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