松沢呉一のビバノン・ライフ

コンドームの二次使用-赤線時代のリサイクル-[ビバノン循環湯 389](松沢呉一)2,217文字-

前半は「東京スポーツ」の連載に書いたものです。後半はメルマガに書いたもの。合体させてみました。

 

 

 

鳩の街での出来事

 

vivanon_sentence東京生活」(睦書房)昭和28年7月号の「銀座特集」が大変充実している。

東京の新名所となったトルコ風呂「東京温泉」のルポなど、読みどころが多いのだが、今回私が注目したのは、力の入った「銀座特集」ではなく、「サック拾いはわびしきかな」という小さな記事だ。

東京の赤線地帯のひとつ「鳩の街」で遊んだ帰り、のチンケ横丁を記者が歩いていた時のこと。

一人の中年女が棒を手にしてゴミ箱を漁っている。訝しく思って尋ねたら、「ゴム袋ですの」と答える。

彼女は娼家で使い捨てられたコンドームを拾っていたのだ。このコンドームを買い取ってくれる工場があって、女はコンドーム拾いを仕事にしている。

※現在の鳩の街。過去を消そうとすることが多い中、ここは珍しく赤線時代の名称をそのまま使って商店街として残っています。前はもっと痕跡があったのですが、今は辛うじていくつか建物が残るのみ。文中に出てくる「チンケ横丁」について鳩の街の人たちに聞いたのですが、誰も知りませんでした。

 

 

意外な利用法

 

vivanon_sentenceそんなものを何に使うのかと思ったら、コンドームとして使う。

つまり、その工場は、使用済みのコンドームを熱湯で殺菌し、乾燥させ、セロファンの袋に入れ、再度、赤線地域の店に売るのだ。

 

 

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