松沢呉一のビバノン・ライフ

「M/ALL」と「#なんでないの」—裸の文脈(7)-(松沢呉一)-3,213文字-


チンコの生えた女たち—裸の文脈(6)」の続きです。

 

 

 

M/ALLのMAKE KNOTS

 

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ここまで書いたような話を語るイベントがあります。今週の土曜日です。

 

 

 

 

 

中川えりな、ハスラー・アキラ、金相佑、私というメンツの「MAKE KNOTS」パートは、GALLERY Xで深夜一時からスタートです。人前で話したい気持ちが最近全然ないんですけど、このメンツだったらOK。ふだんと同じですし、「中川えりながいかに面白い存在か」だったらナンボでも語れます。前回書いたのはその一部。

何年か前は「金相佑がいかに面白い存在か」をよく語ってましたが、その金君による韓国フェミニズムの新しい胎動の話も大変刺激的です。

全体のコンセプトだの文脈だのは全然わかってないのですが、そういうもんを無視するメンツです。

M/ALLは無料イベントなのですが、クラウドファンディングに協力した人たちは優先パスをもらえて、その人たちがどの程度来場するのかさっぱりわからない。それ次第では、優先パスのない人たちは並んで待つことになるかもしれず、場合によってはお帰りいただくかもしれない。深夜はガラガラということもあり得ますけど、GALLERY Xはキャパが少ないので、どうなることやら。

 

 

奇しくも同じ日に同じ渋谷で

 

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ということなので、優先パスのない人は、M/ALLと同じ日、同じ渋谷である別のイベントに行くのもありかもよ。とくに学生は無料ですから。ただし、こちらも予約でほとんど満席とのことなので、当日では入れない可能性もあります。どっちもいまさら告知する意味がなくなってしまいました。

 

 

 

これを主催するKazuko Fukudaは大学生です。スウェーデンに留学したことで、「現実の海外」に触れ、日本の欠落部分に気づきます。とくに性に関して欠落がある。その筆頭が避妊です。「虚構の海外」を利用する人々と違い、「現実の海外」と比較すればそこに気づかざるを得ないでしょう。そこで、彼女は、#なんでないのプロジェクトを立ち上げ、これが最初の公開イベントです。

6月には東京と大阪でこんなのがあります。

 

 

精力的です。こちらも学生は無料。まだ余裕があるそうなので、お早めにお申し込みください。

 

 

日本に足りないもの

 

vivanon_sentence避妊について日本では欠落だらけであることは、「HIV・エイズに関する動画史」シリーズでも見た通り(あのシリーズは整理しなおそうと思って大半を非公開にしながら、あまりに面倒なため、そのまま整理する気がなくなった。全部記録として残そうとしたのが間違い)。あのシリーズをやったことで私自身が大いに学びました。国によってはテレビで堕胎薬やパイプカット(精管結紮と卵管結紮)のCMが流れていること、国によっては緊急避妊薬の能天気なCMが流れていることをあのシリーズを書く過程で知りました。

皮下インプラントなど避妊技術の発展ぶりにも驚きました。最新型は16年有効で、体外からのコントロールも可能です。遠い未来の仮想だったことがすでに現実になっています(日本ではなお非現実)。

これは先進国の特徴とも言えず、「HIV対策のためのコンドーム」という文脈に頭をもっていかれていて、人口抑制が今も重要なテーマになっている国が多数あることにも私は鈍感になってました。とくに少子化の進む日本では見えなくなってしまうのです。見ようとして見えないのではなく、見ようともしなくなる。

あのシリーズは書いている私は面白がっていたのですが、思い切りアクセスが少なかったものです。動画が多かったためと海外の話がメインだったためでもあるのでしょうが、一般に興味を持たれにくいテーマなのだと思います。長らく私も、わかった気になっていて、探せばそこにある情報を積極的には見ようとしてませんでした。

あのシリーズがきっかけで、この辺の脳内情報を更新しておかないとまずいなと思い、その延長で生殖医療についての本も読みまして、アバウトながらアップデート完了。生殖をコントロールする方向で世界はすさまじいスピードで進んでいます。

コンドームショップにインネンつけているような人間は現実の海外を知って山田わかの時代から早く抜けた方がいいと思います。百年経っているんだぞ。

 

 

 

「#なんでないの」 サイトより

 

 

 

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