女性用出張M男のナンバーワン—作業用・M男予備2-(松沢呉一)-8,632文字-
このシリーズは文庫の作業用です。「ビバノン」の編集ページに慣れてしまって、ここで文庫用に原稿の手直しをやっており、ついでに一時公開する趣旨です。
通し番号は仮の掲載予定順です。バラバラに出していきますので、通し番号も飛び飛びになります。現段階ではどれを収録するのか決定しておらず、よって再録の許可をまだ得てません。本に収録されないものはそのまま残し、収録するものはその段階で非公開にすることになろうかと思います。そのため、「循環湯」の通し番号は現段階では省略します。カテゴリーのタグも「文庫作業用」のみです。空白にしている部分がありますが、気にしないでください。
連絡がとれる人でもまだ無断ですので、無料公開部分は相手の言葉が始まる前までとします。
女性向けの出張奴隷業
お金をもらってM男をやる。そんな夢のような話が現実にある。
今までにもこのようなサービスはあるにはあったが、あまり需要はなくて、うまくいっているという話は聞いたことがない。しかし、時代が変わったということなのか、ここはメディアに取り上げられる頻度も高く、ボチボチ客が来ているらしい。
現在、二十人以上のM男性が登録しており、客からの予約が入ると登録者に連絡があって、指定のホテルに行くシステム。
その中で指名ナンバーワンが名那(なな)君。本業はサービス業で、仕事のない昼間や休みの日を利用して派遣M男をやっている。
客が来る理由のひとつは料金だろう。男性客が遊ぶ時よりずっと安くて、一時間で一万円(オプションやホテル料金は別)。このうち半分がM男君のものになる。週に四、五本仕事があったところで、実家に住んで家賃や食費がかからないような人じゃないと、これだけで生活していくのは難しい。しかも、これはナンバーワンである名那君の数字なのだから、他は推して知るべし。
店のオーナーが正直な数字を教えてくれたのだが、女性客は多くて日に三、四本、たいていは一日に一本あるかないかだそうだ。これでもやっていけているのは、この店は男性客を相手にする、通常のSMクラブのサービスがメインで、その傍らでM男派遣を手がけているためであり、これだけではとうていビジネスとしては成立しない。
仮に月に五十本としても、二十数人の登録者で割ると、月に一人二本平均。実際には名那君のような人気者に指名が集中してしまうため、月に一本もつかないM男君の方が多いのだ。
オーナーはこう言う。
(残り 7725文字/全文: 8757文字)
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