水着の変遷と帯の謎—古い絵葉書[6]-[ビバノン循環湯 426] (松沢呉一)-2,496文字-
「写真館の工夫 —古い絵葉書[5]」の続きです。
「引用まで許諾がいると主張する東北芸術工科大学—続・著作権切れの著作物」「時代に取り残される東北芸術工科大学—続々・著作権切れの著作物」にも水着絵葉書が出ていますので、参照してください。
乳首の透けた水着写真
ここまで書いてきたことは私の中ではとっくにわかっていたことだし、メルマガや『エロスの原風景』に書いていることなので、再度まとめるのは面白みがない。対して今回は新たなテーマです。答えは出てないですけど、私としてはちょっと面白いです。
美麗彩色絵葉書に対抗して、私の所有している自慢の水着写真を出しておくとしましょう。
モノクロだし、時代が新しいので(大正前期か?)、あの彩色絵葉書に比べると見劣りします。でも、なかなかの美人さんです。その美人さんの乳首が透けてはります。そこが自慢。
せっかくだから、乳首をアップにしてみました。
下も気になるのでアップにしてみました。
透けていると思った方が得ですけど、さすがにそこまでは冒険しなかったと思われます。
乳首は透けているというより、浮き出て影ができているようです。この絵葉書を夏に出すためには春のうちに撮影をしていて、寒くて乳首が立ってしまいましたかね。今も撮影時にはよくあることです。
でも、こんなん、簡単に修正できるのですから、そのまま出したのはわざとじゃないかな。今だって私は嬉しいくらいで、当時はもっと嬉しかったでしょう。写真の修正は明治時代からなされていて、とくに芸者や娼妓は高い金を出して修正していたらしいですよ。風俗嬢やキャバ嬢と一緒です。
大正時代から遊廓では顔見世ができなくなって、以降は写真見世になってました。写真を見て中に入ったらガックリということがこの頃からあったわけです。
そっち方面に話が流れるとまた話が止まらなくなるのでやめておきます。
水着と帯
前回の絵葉書では、皆さん、腹巻みたいなものをしてましたね。私は単なる腹巻だと思っていて、FBでもそう説明してました。当時は今以上に女性が体を冷やすことを避けたんじゃなかろうか。
乳首絵葉書のように、あのタイプの水着でも、帯みたいなものをしていない写真もたくさんあって、水の中に入ると水を吸って邪魔でしょうから、おそらく外したのだと思います。
当時はああいう髪型ですから、水の中にどっぷり入ることはなかったでしょうけど、髷をといたものも時々あります。
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