「BAN祭り」にリスクなし —ネトウヨ春(夏)のBAN祭り[13] (松沢呉一)-2,631文字-
「「Twitter社会運動」の反省点—ネトウヨ春(夏)のBAN祭り[12]」の続きです。
灯台下暗し
反原発運動からカウンター運動へ流れた人たちも多かったわけですが、もしかすると、この流れもよくなかったのかもしれない。このふたつは個人のリスクと言う意味で全然違っていて、考え方をリセットする必要がありました。
その流れで無防備になって、会社員や学生で、堂々顔を出している人、堂々名前を出している人たちについては注意を促すべきだったと今は思ってます。
こっちだってヘイトデモ参加者の特定のために、あんなことしたり、こんなことしたりしていて、それで会社にいられなくなったヘイトデモ参加者もいるので、この勝負は引き分けです。でも、引き分けていたらダメでしょ。こっちがやれば、あっちだって同じようなことをするに決まっているのですから、細心の注意が必要でした。
顔を隠しつつ、最前線には出ないようにしていたのもいましたけど、現場ではそういった冷静さが剥ぎ取られてしまいやすく、だからこそ必要以上に注意をすべきだったのです。
ネトウヨにチクられたのではなく、社内の誰かにチクられた可能性のあるヤツもいます。彼はなにかにつけ無防備だったので、ネトウヨに掘られてチクられた可能性もあるのですけど、具体的にバレたきっかけは社外の人ではわかりにくいことでした。
大きい会社だったら、一人二人、あるいはその何倍もネトウヨがいるでしょう。ヘイトデモに出るようなコア層は一部であれ、その背後には「薄いネトウヨ層」が多数います。
また、敵に回したオタク層も社内には確実にいるでしょう。オタク層ってムチャクチャ多いですからね。女子高の中でも一大勢力になっているくらいで。職場にも自宅周辺にも、いたるところに敵がいる状態を作り出してしまいました。だから、意味なく敵を増やしてはいかんのです。
個人としてはオタクを敵視していなくても、そういう集団だと見なされています。それをセーブすることができなかったため、まとめてあちらから敵視されるのはやむを得ない。ちゃんと批判し合って、心の関東軍を抑えないとそうなるのよね。
たまたま同じ職場の誰かが見つけて、とくにその活動について反感がなかったとしても、心配をして「こんな危ないことをしています」と総務にチクったのかもしれない。会社の中にはもともとそいつのことを快く思っていないのだっているわけで、たんにこれを利用して潰してやれと思ったのかもしれない。
どういう経緯だったか、はっきりとはしないのですが、この場合は注意を受けただけで済んでよかったですよ。
※さっき初めて見たのですが、このTシャツのデザインはいいな。欲しい。税込み2,500円。でも、SOLD OUT
革命的警戒心を発揮せよ
うざがられるのでたまにですが、私は社会運動なんてものを経験したことがないヤツらに注意もしてました。そこは年の功です。学生時代は公安対策として、新左翼系の集会やデモのあとはどこかに立ち寄ってから帰ったり、隣の駅で降りて後ろを振り返り振り返り帰ったりしてましたから、革命的警戒心(左翼用語)があるのです。それでも公安にはばれてましたが。
(残り 1368文字/全文: 2723文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ