松沢呉一のビバノン・ライフ

性感染症(STD)についての適切な姿勢—セックスにくっついてくる厄介なもの[下][ビバノン循環湯 461] (松沢呉一)-3,493文字-

熟女マニアを襲う恐怖—セックスにくっついてくる厄介なもの[中]」の続きです。

 

 

 

いい加減な教え

 

vivanon_sentenceこの電話で、長田長治に教えられたのだが、インターネットには性感染症の相談をやっているサイトがけっこうあって、いい加減なところも多いらしく、「性風俗には絶対に行ってはいけません」と書いてある病院のサイトまであるのだという。まだそういうことを言っているか。

エイズ騒ぎの初期にも、同性愛行為そのものを否定するような呆れた言論があったものだが、そんなことでは病気の予防はできないし、調査だってできない。自分らの存在を否定するようなことを言う人たちに誰が協力しよう、誰が耳を傾けよう。

人々がやっている性行動を前提に、その上で感染をしにくい方法を選択して、どう早期発見、早期治療をするのかを啓蒙すべきなのである。

「アナルセックスは変態行為であり、STDの感染リスクを高めるのでやめましょう」と言ったところでそれが好きな人たちはやめない。だったら、「予め洗浄する」「コンドームを使用する」「終わったあとも洗浄する」「定期的に検査に行く」といった方法を勧めた方がいい。

性風俗においても、コンドーム使用の店をどう増やすか、風俗嬢たちや従業員たち、客たちがどう正しい知識を得られるようにするのか、検査をどう徹底するのかがテーマであり、ここに道徳を持ち込んで、性風俗店の否定をすることはその妨害にしかならない。

こういうバカなことを言う人たちを徹底的に糾弾すべし。

そのサイトは見つけられなかったが、病院の紹介をおこなっている「医療の缶づめ」というサイトにはこんな文章が出ている(※このサイトは現在は消えている)

 

 

性病の発見には、第一に「自分が危険なセックスをしていないか」自覚する必要があります。知らない相手とのセックスは避ける、性風俗店には行かないことが性病を避ける条件です。 たいていの性病はセックスをしない限り感染しません(オーラルセックスはセックスと考えます)。性病に対するストレスから性病ノイローゼ、セックス恐怖症になるケースがありますが、信頼できる相手との性行為であれば、双方が浮気しない限り感染することはありません。

 

 

バーカ。パートナーが浮気をしないことの保証なんてどこにあるんだ? 「浮気してない」と言えば信じるのか。パートナーが自分とつきあう前に感染していない保証がどこにあるんだ? 「処女です」「童貞です」と言えば信じるんか。それとも小学生くらいから監禁して、他の人間に一切触れさせないのか。自分も感染していない保証として監禁されてろ。

ホントにこういう人たちは頭が腐っていて、パートナーが自分以外の男女とセックスをする可能性、その前に別の人とセックスしてきた可能性を少しも考えてもいない。

私ならこう書く。

 

 

性病の発見には、第一に自分がセックスをしていることを自覚する必要があります。セックスをしている以上、知っている相手とのセックスであっても、性風俗店に行かなくても、感染の可能性は常にあります。セックスしている自覚のある人は検査をしましょう。

 

 

A medical photograph from ‘Photographic Atlas of the Diseases of the Skin’ illustrates Lupus Erythematosus 1903.

 

 

 

 

検査をしていない一般の人たちの方が怖い

 

vivanon_sentence別のサイトでも、クラミジアの保菌率は一般より風俗嬢の方が高いなんてデマを書いていたが、定期検査をしている店で働いている風俗嬢と、一般の女子との比較対照をすれば、間違いなく前者の方が保菌率は低い。

 

 

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