松沢呉一のビバノン・ライフ

FacebookよりTwitterが強い日本の特性—インターネットより狼煙の時代[7](松沢呉一)-2,981文字-

漏電しやすいFacebook鉄道・暴走しやすいTwitter鉄道—インターネットより狼煙の時代[6]」の続きです。

 

 

 

なぜ日本ではTwitterが強いのか

 

vivanon_sentenceどうして日本ではFacebookよりTwitterの方が人気があるのかについてはいろいろな説が出てますが、はっきりしたことはわからない。

諸外国に比して歴然と違うので、たまたまの偶然が左右したとは到底思えない。漢字は情報を詰め込めるため、日本ではTwitterが強いなんて説もありますが、Facebookはもっと文字数を使えますから、これでは説明ができない。

東アジアは何事も似ているのですが、韓国はまったく様相が違います。韓国は自国発のSNSが強い特性があって、利用者数でFacebookは3位に甘んじており、Twitterにいたってはベスト10に辛うじて入れている程度。

 

 

LIFE PEPPER「2017年更新!韓国SNSランキング&最新動向データまとめ」より

 

 

なんなんですかね、この違い。

 

 

Facebookは外交的・Twitterは内向的

 

vivanon_sentence以下は最新の国内調査です。

 

 

株式会社リスキーブランド

主要SNSアクティブユーザーの推移(2011-2018)とユーザー特性を分析」より

 

 

LINEが急成長してSNSのダントツのトップ。mixiは一時持ち直したと言われてましたが、もはや風前の灯火。Facebookは着々と落ちて、Instagramにも抜かれ、とくに若い世代が離れているため、いよいよ高齢化が進んでいます。利用者の半分以上が35歳以上です。漏洩問題が続いているため、何が漏れても怖くない尿漏れの世代しか残らないかも。

TwitterとFacebookを比較すると、2013年を除いてTwitterが圧倒的に強い。世界的に見て特異な傾向です。

同調査にはこんなグラフも出ています。

 

 

 

 

外交的・内向的」の軸ではFacebook・Instagram・Twitter・LINEの順。「変化/多様性を求める」の軸ではFacebook・Instagram・Twitter・LINEの順。「変化/多様性を求める」では、すべてが日本人の平均以上ですが、TwitterとLINEは平均以上に内向的。

どういうアクションをしているのかとどういう人たちをフォローしているのかを数値化したものかと思ったのですが、それだと日本人の平均を出せず、どうやら利用者のアンケート調査をしたようです。その内容までは不明。

その結果、Twitter利用者の特性は以下とされています。

 

 

TWITTER:内向的な若年層の趣味とニュースの受発信手段

Twitterは若年層で内向的な価値観の人のためのSNSというポジションを得ていると言えるでしょう。趣味の情報やニュースが入手でき、情報発信用途でも活用されています。
匿名で投稿でき、つぶやき形式の短い文章を中心としたスタイルは、現在の社会トレンドである「冷笑主義/シニシズム」の特徴の1つ、「社会とは一定の距離を置く」というニーズに合致したメディアと言えるでしょう。

 

 

よくわらんことをいいことに勝手に決めつけておくと、やはりTwitterは趣味(全体からすると、そのつながりは少ないのでしょうが、思想信条も同じ)によるクラスター内のやりとりになりやすいのかも。

たしかに私も、Facebookの投稿は不特定多数が対象になる感触があります。つまり、雑誌に原稿を書く時と同じモードで書く。Twitterをやっている時もそう心掛けていたのですが、そう心掛けないと身内モードで書いてしまいがちなためであり、Facebookでは意識しなくても不特定多数モードになります。「ビバノンライフ」のアカウントでは購読者を意識していますが、範囲は狭くてもほとんど顔や名前が見えない不特定多数モードです。

 

 

Twitterを志向する国民性

 

vivanon_sentenceさまざまな要因がからんできますから、はっきりとさせるには時間をかけて調べる必要がありますけど、日本でTwitterが強いのは国民性かと思います。

 

 

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